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J-253 吉良吉影 J-253 R キャラ ダイヤモンドは砕けない 幽 P4 S6 T(6) ☆☆☆☆☆ ●これで今夜も………くつろいで熟睡できるな すべてのキャラは、行動タイプの特殊能力を使用する時、あらかじめ「コスト:○○」を支払わなければ、使用できなくなる。 悪幽幽悪 吉良 人間 出典: 静かに暮らしたい割には堂々としたレベルのキャラカード。 自分も特殊能力使用にコストがかかるので注意。
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J-764 吉良吉影 J-764 C キャラ ダイヤモンドは砕けない 悪 P2 S2 T(4) ☆☆☆☆ ●自動的にわたしを守ってくれているんだ… 「レベル 1以下」の敵が捨て札になるたび、自分ライフを1点回復する。 悪幽幽悪 吉良 人間 出典: コストの重さのわりには攻撃力も大したことなく、能力も受け身で使いづらい。 他の『吉良』と比べるといまいちなカード。 活用するなら、シアーハートアタックをJ-186 留置場から毎ターンアタックさせれば「レベル 1以下」の敵を倒しやすいだろう。 さらにJ-483 川尻しのぶやJ-521 バイツァ・ダストがあれば、かなりのライフ耐久力ができる。 これらで耐えしのぎ、J-431 エリザベス・ジョースターによる勝利を狙うという戦法も有りか。
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吉良吉影さんを脅かします! ◆QkyDCV.pEw 現状の危険さを認識し、平穏を望む吉良吉影の全く望まぬ道、戦いの道を覚悟した吉良は、決意と共に足を踏み出す。 不用意な他者との遭遇は絶対に避けるべきだが、かといってひたすら逃げに徹しても状況が改善するとも思えない。 それに吉良自体は長年サラリーマンを実際にやってきただけあって、一般人を装う事にかけては、他者に悪感情をもたれない事に関しては、得意だと言ってもいい程だ。 ならばその対人スキルを用い、友好的な接触を図れる相手を探すべきだろう。 特に今だ。誰もがまだ接触人数が少ない今の内に、あの四人より先に他者と接触し、出来れば味方だと思わせられれば良い。 そしてそう出来ない時は、きっと不可視のスタンドがこの上なく機能してくれる事だろう。 後は、最初から全力で殺しにかかってくる人間を見抜く事だ。その姿を見て、最初の数秒が肝心。僅かな見落としが命取りになろう。 吉良は緊張感を持って夜の町を歩く。 そんな吉良吉影が最初に出会った遭遇者。それは。 きゅらきゅらきゅらきゅら。 吉良はスタンドを出してはいない。つまりこれはシアーハートアタックではない。それにシアーハートアタックはこんなアホみたいにデカイ音は出さない。 近寄ってくる。吉良は近場の建物の中に侵入し、その二階の窓からその騒音の元を見下ろす。 「………………は?」 思わず、そう吉良のような慎重な男が思わずそんなマヌケた言葉を漏らすような光景が、そこにあった。 戦車だ。 誰が見ても見間違いようのない戦車が、アスファルトをへこませながら走って来ている。律儀に車道の左側を通りながら。 吉良は自らのスタンド、キラークイーンの能力の高さに相応の自信を持っていたが、幾らなんでも戦車とケンカするなんて状況を想定した事は無い。 吉良の胸ポケットから上半分を乗り出している写真、吉良吉廣も、あまりと言えばあまりな光景に絶句してしまっている。 だが、はたと思いついたらしく、自信なさげに口を開いた。 「……もしかしてあれ、支給品、という奴、か?」 すぐに吉良から凄まじい抗議の視線を向けられ胸ポケの奥に引っ込む吉廣。 そんな理不尽な話があるかと。吉良は写真一枚で、他の奴は戦車だなどと。 いっそ奪えれば、などとも思ったが即座に自ら否定する。戦車の動かし方なぞ吉良は全く知らない。というかアレに乗ってる奴は動かし方を知っているというのかと。 或いは軍人か。だとしたら、スタンドがあっても決して油断は出来ない。 いやそれ以前に。戦車相手に、キラークイーンで勝てるビジョンが出て来ない。 キラークイーンの爆破はあの外部装甲に通じるのか、とか吉良にはわからない事だらけだ。 そうこうしている間に、戦車は吉良の眼前を通り過ぎて行ってしまった。 吉良は戦車の音が聞こえなくなるまでずっと立ち尽くし、顔を片手で覆いながら心からの言葉を漏らした。 「幾らなんでも戦車は無いだろう……」 この殺し合いは、吉良が考えているよりずっと厳しいものであるようだった。 たっぷり一時間弱。 頭の中を整理し、落ち着きを取り戻すのに費やした後、吉良は足を北へと向ける。 あんなモノが支給品だなどとありえないにも程がある。どうやったってバッグに入らないだろうに。 となればあれは会場に置かれていたという事。ああいったギミックを活用して戦えといった趣旨ならば、わからないでもない。 ならあの手の有効な武器は何処にあるか。地図に書いてある基地が何ともそれらしいではないか。 吉良には使い方がわからないかもしれない。なら、全て壊してしまえばいい。 他の奴に活用されるぐらいだったらそうした方がよほど良いだろう。 あの戦車は、また後で対処を考えなければならないだろう。吉良はちらりと自らの胸元を見下ろす。 コレを戦車の中にでも放り込めれば、ほぼ勝ちは確定なのだろうが。 後は、間違ってもあの中に東方仗助達が入っていない事を祈るばかりだ。手遅れだが。 こうして吉良吉影は地図北西端の基地を目指す事にした。ちょうど戦車が向かった方角とは別でもある事だし。 あの戦車の最終目的地が吉良も目指す基地である事は、当たり前だが吉良にはわからぬままで。 色々と情報も何もかもが噛み合っていないままに、吉良は基地を目指す。彼の嫌う、人の群が巣食う場所であるとも知らず。 【C-2/深夜】 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:健康 [装備]: [道具]:支給品一式、写真のおやじ@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない [思考・行動] 基本方針:吉良吉影の正体を知る者なしで生還する 1:マーダーを扇動して効率よく参加者を減らす 2:写真のおやじを心の弱い対主催に与え火種を作らせる 3:できる限り闘わない 4:主催者を殺す方法を考える 5:北西の基地を目指し、そこに武器があるかもと考えている。 ※参戦時期は写真のおやじと合流後~岸辺露伴が正体に感づいたことを気づくまでの間です 【写真のおやじ(吉良吉廣)@ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない】 [状態]:健康 [装備]: [思考・行動] 基本方針:吉良吉影を守る 1:対主催に潜り込み扇動する 2:吉良吉影を助けるためには脱出も考慮する 3:↑のために吉良吉影の悪評をばらまかれる前に東方仗助たちを始末する ※参戦時期は吉良吉影と合流後~岸辺露伴が正体に感づいたことを気づくまでの間です ※所有者と20m以上離れることはできません ※所有権は互いの同意があれば変更可能です(所有者が死亡している場合は不要) ※その他の制限は後続の書き手にお任せします 時系列順で読む Back 納鳴村へ Next ムリダナ(・×・) 投下順で読む Back 納鳴村へ Next ムリダナ(・×・) 032 狂った親子 吉良吉影 000
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J-489 吉良吉影 J-489 U キャラ ダイヤモンドは砕けない 悪 P5 S7 T(7) ☆☆☆☆ ●わたしの『シアーハートアタック』はあのクソかす(・・・・)どもに何されているんだ!? このキャラに付いている《キラークイーン》の行動タイプのスタンド能力を、行動完了せずに使用できる。 悪・悪・悪・幽・幽 吉良 人間 出典: J-421 キラークイーンとの相性が良い吉良。 4弾環境では本体の吉良が行動完了になるので除去のターゲットになる事もあったが、 このカードならその心配はない。 コストこそ重めだが、コモン・アンコモンカードでの初めての吉良。 しかも攻撃力も高めなので、吉良ファン、 もといシアーハートアタックファンにはうれしい一枚。
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基本データ キャラクター名 吉良吉影 スタンド名 キラークイーン キャラタイプ 攪乱タイプ 操作難易度 ★★☆ 声優 森川 智之 注意 操作難易度は公式サイトに記載のものとなります。 更新履歴 アップデート履歴 キャラ概要 スキル《キラー・ラッシュ》 《第一の爆弾》 《スタンドON》 《負傷者の熱感知》 《シアーハートアタック》 その他吉良の特性 ソロ戦の戦術 ペア戦の戦術 コメント欄 更新履歴 表示 21/09/13 キャラ解説文変更 21/09/17 シアーハートアタックの弱点の数々を折り畳み内に格納 21/09/19 各スキルの画像を追加 21/10/21 第一の爆弾の爆発は外周部で受けるとダメージ量が減少することを追記、負傷者の熱感知は体力+シールドが500以下なら発動することが判明したため修正 21/12/16 シアーハートアタックを中心にスキル説明文整理、過去のアップデート履歴を記載 21/12/18 表現の軽微な修正 22/01/16 基本データにキャラタイプを追加、見出し名・重要度変更 22/01/17 削除された記述を復元 22/02/12 第一の爆弾・負傷者の熱感知・シアーハートアタックの説明文を簡潔に整理 22/03/09 Rev.13.02(2022/03/09)のアップデート内容を反映 22/07/10 直接爆弾化した場合にも周囲の敵プレイヤーにもダメージが入ることを追記 22/07/20 シアーハートアタックの弱点の項目にて、相方のボラーレ・ボムの炎も優先して追尾することを追記 22/10/05 第一の爆弾とシアーハートアタックの説明文追記 22/10/16 誤字修正 22/11/03 文字色・修飾を変更、スタンドONの効果のリンク先を変更、基本データのフォーマット変更、精神力回復開始までの時間を別項目に移行 22/11/05 ソロ戦の戦術・ペア戦の戦術修正 22/11/18 第一の爆弾の射程距離がしゃがみ歩き5歩分であることを追記 22/12/03 スキル表の「射程」列を精神力消費量に置き換え、スキル表・各スキル説明文に精神力消費量追記 他キャラのスキルとの関連網羅(一部抜けあるので情報提供求む…) 22/12/07 Rev.16.02(2022/12/07)のアップデート内容を反映(シアハ爆破時間・罠判定について) 22/12/30 スキル表に各スキルの画像追加 23/03/09 「負傷者の熱感知」において、ウェザー・リポートの「クラウド・バリア」のシールド増加分は、比較対象数値の範囲外になる記述を追加 23/06/07 Rev.18.02のアップデート内容を反映 23/09/06 アヴドゥルの各スキルに対するシアーハートアタックの反応について追記 23/12/06 Rev.20.02のアップデート内容を反映 アップデート履歴 23/12/06 Rev.20.02 アップデート詳細 「第一の爆弾」設置場所に、壁越しでも見えるマーカーを表示するように変更 (マーカーは"発動者"と"ペア相手"のみ視認可能) 23/06/07 Rev.18.02 アップデート詳細 「キラー・ラッシュ」の射程距離を7.1%増加(しゃがみ歩き10歩程度→10.5歩程度) 22/12/07 Rev.16.02 アップデート詳細 「シアーハートアタック」が敵に接触してから爆発するまでの時間を0.25秒短縮 22/03/09 Rev.13.02 アップデート詳細 「第一の爆弾」の爆弾化できる距離を5.5%減少 「シアーハートアタック」の屋内における追尾性能を向上 21/06/09 Rev.10.02 アップデート詳細 「シアーハートアタック」の追尾性能を向上 21/03/17 Rev.09.02 アップデート詳細 「第一の爆弾」の爆弾化できる距離を10%延長 キャラ概要 『吉良吉影』 33歳 独身 仕事はまじめでそつなくこなすが 今ひとつ情熱のない男…… なんかエリートっぽい気品ただよう顔と 物腰をしているため 女子社員にはもてるが 会社からは配達とか 使いっ走りばかりさせられているんだぜ 悪いやつじゃあないんだが これといって特徴のない……影のうすい男さ CV.吉良の同僚 4部『ダイヤモンドは砕けない』より、杜王町に潜む殺人鬼:吉良吉影が参戦。 触れたものを爆弾にするスキルや、敵を自動で追尾するアルティメットスキルを持つキャラ。 吉良の真価が発揮されるのはスキル「第一の爆弾」の罠による待ち伏せ戦法である。 罠を踏んで爆発した敵はダメージを受けるだけではなく、短時間動きが固まるので、その間にラッシュを叩き込むことができる。 家の階段などに罠を仕掛け、植物の心のようにじっと待つのが基本スタイルである。 一方、瀕死の敵が光って見えるというパッシブスキルも有しており、その敵には強気に攻めることができるという二面性を持つ。 攪乱タイプの中ではかなり使いやすいキャラで、初心者にもお勧めできる。 他の攪乱タイプとは違った戦い方で平穏を目指そう。 スキル スキル名 コマンド ダメージ 精神力消費量 解放レベル 備考 キラー・ラッシュ R2連打 300 120 レベル1 威力は中くらいで、射程がわずかに長い通常攻撃 第一の爆弾 R1長押し→離す 600(罠爆弾)/1000(お触り) 約200 レベル1 対象を爆弾に変える物体を爆弾に変えれば罠となり、敵を爆弾に変えれば大ダメージ 負傷者の熱感知 自動発動 - - レベル1 体力+シールドが500以下の敵がサーモグラフィーの様に表示される スタンドON L2長押し - - レベル1 スタンドを出したままの状態になり、各種スキルの発生が早くなる シアーハートアタック L1長押し→離す 600 - レベル46で回数追加 敵を自動追尾する爆弾戦車を射出する 注意 このページの操作説明はタイプA設定時のものです。 《キラー・ラッシュ》 擬音 発生条件 ドゴ 命中時 ゴッ 空振り時 通常攻撃。 威力は中くらいで、射程がわずかに長い(しゃがみ歩き10.5歩程度)。 1発あたり300ダメージ。初期体力の敵を4発、フルシールドでも7発で倒せる。 R2ボタンを1回押すたびに1発攻撃が出て、精神力を120消費する(最大8回まで連続攻撃可能)。 画面中央の円が黄色の状況なら攻撃が当たるので建物の外にいるときに黄色くなったら注意しよう。 《第一の爆弾》 擬音 発生条件 ビシュン 設置時 カチリ 起爆時 ドグォオン 爆発時 レベル1から使用可能なスキル。 物や敵キャラクターを爆弾に変える。 R1ボタン長押しでガイドを表示し、ガイドが青くなった状態でボタンを離すと設置。 ガイドが青くなる距離、つまり射程距離はしゃがみ歩き5歩分程度。 爆弾化対象によって効果が変化する。↓それぞれタップorクリックで詳細表示 1.床、壁など物体を爆弾化した場合(以降、罠爆弾と呼称) 設置箇所に敵が触れると爆発し、600ダメージと短時間のスタン状態を付与する 爆発の外周部ではダメージ量が400(要検証)に減少する 2.敵を直接爆弾化した場合(以降、お触りと呼称) 爆弾化してから約2秒後に爆発し、爆弾化した敵に1000ダメージと短時間のスタン状態を付与する 爆発の周囲の敵にも罠爆弾と同様のダメージを与える 同時に爆弾化できる対象は一つまでで、別の箇所に設置すると最初に設置した爆弾は消える。 設置箇所は敵からは見えない。また、自分とペア戦の相方のみ、障害物越しでも罠の位置がマーカーで表示される。 精神力消費量は約200。 その他細かい仕様 クリックorタップで表示 遠隔操作中のスタンドを爆弾化することは不可能 承太郎、ジャン・ピエール・ポルナレフ、ディアボロ、空条承太郎(ストーンオーシャン.ver)の使用するガードスキル発動中の敵にもお触りを実行可能 設置箇所は敵からは見えないが、設置した瞬間に表示される紫色のエフェクトは敵にも見える 罠の判定は障害物を貫通しない。壁ギリギリに設置した状態で壁の外側の敵が近づいても爆発しない。 吉良の立ち回りの要となるスキル。 主な用法は以下の通り。↓それぞれクリックorタップで詳細表示 1.待ち伏せ これがメインの使い方となってくる。 敵が来そうな位置に仕掛けて待ち伏せ、爆発直後にキラー・ラッシュで追撃する。 階段下に爆弾を設置し、階段待ちと合わせて用いられることが多い。 爆発時は敵がスタン状態となり動きが固まるため、通常の階段待ちよりも決定力が高い。 2.敵の移動を制限する 敵が近くにいる場合、スキル発動時に発生するエフェクト等で罠の位置がバレてしまうが、それにより敵の接近を防ぐことができる。 平地で使用した場合でもこれは有効で、敵は常に「吉良がどこに爆弾を仕掛けたか」を意識しながら戦う必要があるため、心理的なアドバンテージも得ることができる。 罠設置時の擬音をあえて敵に確認させる使い方も時には重要。 3.射程が短いキャラへの牽制 お触りは威力が高いうえ、罠爆弾と同様にスタン状態が付与され、その後にラッシュを食らうことがほぼ確定するため「喰らったら再起不能」と言っても過言ではない。 吉良を相手にする場合は超至近距離での戦闘は絶対に避ける必要がある。 そのため、射程が短いキャラの方向を向いてスタンドONをするだけでも十分な牽制となる。 敵の方向を向いて2・3回地面に罠爆弾を設置して脅すと、さらに敵はお触りを警戒するようになる。 特に承太郎など、ガードスキル持ちのキャラに強気に出ることができるのは魅力である。 もちろん隙があれば脅すだけに留めず、どんどんお触りを狙っていこう。 攻防ともに優秀なスキルである。上手く使いこなそう。 《スタンドON》 L2ボタンを押している間はスタンドが出現しっぱなしになる。 効果はこちらを参照。 スタンドON時の共通仕様だが、スタンドは壁からはみ出るので、位置バレに注意しよう。 《負傷者の熱感知》 体力+シールドが500以下の敵がサーモグラフィーのように表示されるパッシブスキル。 ペア戦の相方の画面には適用されない。 一見地味だが、高度な駆け引きが展開されるスタンドバトルにおいて極めて強力なスキル。 サーモグラフィーで表示されている敵はシアーハートアタックが優先的に追尾し、通常攻撃でも1~2発で落とせる体力のため、状況に応じて積極的に攻めていきたい。 また、終盤では敵を倒す順番の判断材料にすることも可能。 但し、ウェザーの能力「クラウド・バリア」によって付加されたシールド分は、熱感知の勘定に入らない点は注意。 例:ウェザーがライフ500ちょうど、シールド0の状態で「クラウド・バリア」を纏った場合、200の追加シールドを得た状態でもサーモグラフィーは表示され続ける。 吉良の前では体力差をカバーするブラフをかけることができない。 敵の吉良との戦闘では注意するべきである。 《シアーハートアタック》 レベル4 レベル6 使用可能回数 合計1回(+1回) 合計2回(+1回) 擬音 発生条件 ドギューン 射出時 ギャルギャル 追尾中 カチリ 起爆時 バグォオン 爆発時 『オイ、コッチヲ見ロ!』 アルティメットスキル。 L1ボタン長押しでガイドを表示し、ボタンを離すと敵を自動追尾する爆弾戦車を射出する。 敵がシアーハートアタックに触れるか、射出してから約11秒経過すると爆発する。 爆発時は600ダメージ(爆風の外周部だと威力減少)と短時間のスタン状態を付与する。 追尾性能について クリックorタップで表示 敵に向かって直進するだけではなく、迂回orジャンプするなどして障害物を回避してくれる。 窓をくぐり抜けたり階段を上るなど、屋内にいる敵も問題なく追尾する。が、その際には若干スピードが低下する。 負傷者の熱感知で光っている敵を優先して追尾する。また、射出してから着地後、近くにいる敵を優先して追尾する…ようなのだが、正確な基準は依然不明。要検証 視界に映っていない敵も問題なく追尾する。ただし探知範囲には限界があり、一定範囲内に敵がいない場合は爆弾戦車がその場でグルグル回り続ける…。 その他細かい仕様 クリックorタップで表示 L1ボタンを離すまではXボタンで発動をキャンセルできる 射出時に敵に直接ぶつけると100ダメージを与えることができる 爆発範囲は第一の爆弾よりやや広い 爆発前であっても、発動した吉良がダウンor再起不能になるとシアーハートアタックは消滅する 自動追尾という性能上非常に使いやすいアルティメットスキルである。 「『シアーハートアタック』に『弱点』はない」…と言いたいところだが、 このゲームでは弱点が結構ある。 クリックorタップで表示 窓をくぐり抜けたり段差を飛び越える際、若干スピードが低下する。そのため、窓や段差を複数経由するようにして逃げられると追いつけないことがある タイミングを合わせてDIO・DIO(最高にハイver.)の力の片鱗を発動(ワープ直前のモーション中にシアハがDIOに触れて「カチリ」の擬音が発生する、くらいのタイミングだとgood) タイミングを合わせてジョルノのオーバー・グロウを発動(かなりシビア。木が生長し始めたときにシアハがジョルノに触れて「カチリ」の擬音が発生する、くらいのタイミングだとgood) タイミングを合わせてブチャラティのスティッキィ・ダイブを発動(それなりにシビア。ブチャラティが潜り始めたときにシアハがブチャラティに触れて「カチリ」の擬音が発生する、くらいのタイミングだとgood) 爆発前にアヴドゥルのクロス・ファイヤー・ハリケーンを発動 (シアーハートアタックが炎上している箇所に向かって進み、その周辺をウロウロする) 爆発前にアヴドゥルのクロス・ファイヤー・ハリケーン・スペシャルを発動 (シアーハートアタックが炎上している箇所に向かって進み、その周辺をウロウロするクロス・ファイヤー・ハリケーンよりも追尾の優先度が高い) シアーハートアタックに向かって広瀬康一の3FREEZEを発動 (シアーハートアタックだけでなく、吉良本体の移動速度も大幅に減少する) シアーハートアタックに向かって岸辺露伴のヘブンズ・ロックを発動 (シアーハートアタックが無効化され、吉良のスタンド行動も禁止される) 爆発前にナランチャのボラーレ・ボムを発動 (シアーハートアタックが炎上している箇所に向かって進み、その周辺をウロウロするペア戦では、相方のナランチャやモハメド・アヴドゥルが発動した場合もその炎を優先して追尾する) 爆発前にリゾット・ネエロの砂鉄の迷彩を発動(リゾットを追尾しなくなる) …などの方法で無効化することができる。 弱点だらけではあるが、プレイヤースキルによってそれを補うことで非常に強力なアルティメットスキルとなる。 主な使い方は以下の通り。↓それぞれクリックorタップで詳細表示 1.敵へのトドメ これがメインの使い方となってくる。 発動と同時に敵に向かって走り、爆発直後にキラー・ラッシュで追撃するのが基本的な戦法。 爆発時は敵がスタン状態となり動きが固まるため、決定力が高い。 また、負傷者の熱感知で光っている敵を優先して追尾するという性質上、瀕死の敵を確実に仕留める性能が非常に優れているといえる。 DIOなど、シアーハートアタックを回避する手段を持つ敵に対しては、敵の足元に向かって正確に射出し、着地と同時に爆発させて回避のスキを与えないようにすると良い。 2.敵を動かす 上に挙げた弱点の中には「その場からの移動が必要」なものも多い。 そのため、強ポジションにいる敵に対して使用することでその場から移動させ、ポジションを奪い取ることができる。 屋内にいる敵を動かしたい場合は、あえて室内に直接投げ込まず、逃げるための時間を敵に与えるのも有効な戦術。 弱点を強みに変えていこう。 ただし、「600ダメージくらいなら耐えれる!」と判断してその場から全く動かないプレイヤーもいるため注意。 3.隠密している敵の位置特定 プレイヤーが認識していなくとも、付近にいる敵を自動で追尾してくれるという性能上、隠密している敵の位置を特定する目的でも使用可能。 ただし、使用回数が限られるアルティメットスキルであるため気楽には使用できない。 索敵目的で使用するなら終盤に使用することを推奨。 その他吉良の特性 精神力回復開始までの時間:1.5秒 ソロ戦の戦術 序盤 基本的に、吉良は戦闘に特化した能力は無いと認識しておいた方が良い。 驚異的なプレイヤースキルがあるなら話は別だが、基本的にはガンガン攻めていけるキャラではないということを意識しよう。 吉良はレベル4になるまでレベル上昇による恩恵が無い。 序盤は無理をしないことが大事。 中盤 基本的にはシールド回収を最優先。 先述の通り吉良は戦闘に特化した能力が無い。 また、移動スキルや遠距離攻撃をしのぐ防御スキルを持たないため、特に射撃タイプに狙われやすい。 射線を切りながら頑張って逃げよう。 近距離タイプに詰められた時は屋内や狭い路地に逃げ込み、罠爆弾設置時の擬音をあえて敵に見せることで接近をためらわせることができる。 シールド回収が落ち着き、レベルが足りているようであれば無理せず隠密しよう。 シアーハートアタックが1回使えるならとりあえず安心。 隠密時は建物の階段下に罠爆弾を設置し、階段待ちをしておこう。 レベルが足りていない場合はチップを獲得しに行きたいが、とにかく無理をしてはいけない。 単独の敵に自分から攻めていくのはできるだけ避けよう。 基本的にはこのゲームの基本である漁夫、そして死角からの攻撃を狙っていこう。 自信が無いなら罠爆弾設置からの階段待ちに賭けるのも手。 ただし、負傷者の熱感知で敵が光って見えているならば話は別。 吉良と同程度の射程のキャラならば容易に撃破できる。 単独の敵でもガンガン仕掛けてみよう。 終盤 範囲が狭まったら残りのキャラを確認しながら良いポジションを確保しよう。 基本的には生存エリア内の建物を確保しよう。 ただし、索敵スキルや高所への攻撃手段を持つ敵が残っている場合は別のポジションを確保することも重要。 理由はこちらを参照。 建物を無事に確保できたなら罠爆弾を階段下に設置し、階段待ちをして自分だけの安全地帯を確保しよう。 ただしスタンド遠隔操作など、障害物無視の攻撃手段を持つ敵には要注意。 しつこく攻撃してくるようなら敵本体を探し出し、早めにシアーハートアタックを使用して撃破しておくのも手。 また、時止めや障害物無視の範囲攻撃など、非常に強力なアルティメットスキルを持つキャラが残っている場合はそう悠長にしていられない。 少しだけ長い射程を活かして早めに倒しに行ったり、スタンドONからのお触り脅しで敵を動かし、他の敵にぶつけて撃破を狙おう。 残り3人の状況で敵Aが負傷者の熱感知で光って見えているなら、手助けして敵Bを撃破し、敵Aにはシアーハートアタックをぶち込むという無慈悲な戦法もアリ。 負傷者の熱感知の性能を積極的に利用していこう。 ペア戦の戦術 最序盤、相方のキャラが低いレベルでもスキル・ウルトが解放されるようであればチップを譲っていこう。 とはいえシアーハートアタックは序盤~中盤でも活用できる場面がある。 序盤のチップ優先度は低めだが、配分は相方と相談しよう。 ペア戦では頼もしい相方がついている。 相方が射程距離の長いキャラ・戦闘に特化した能力を持つキャラを使っている場合は自分は無理せず、序盤~中盤の攻撃を一任するのもアリ。 その場合でも、敵が逃げ腰なら罠爆弾を駆使するなどしてプレッシャーをかけて動かし、相方が攻撃しやすくなるような位置に敵を追い込む能力が求められる。 逆に敵が攻めてきているなら相方の近くで護衛する/護衛してもらうのも手。 そういった場面で罠爆弾の性能が光る。 いずれにせよ、無理した結果ダウンしてしまい相方に負担をかけないように気を付けよう。 また、序盤~中盤であってもピンチの状況or相方のチップが足りていない状況ならためらわずにシアーハートアタックを使おう。 最大2回使用できるウルト1回の使用で大量のチップを確保できれば十分お釣りがくる。 終盤は最後の敵を相方に倒してもらうか、シアーハートアタックによって倒すかをよく考えよう。 相方が敵を殲滅できそうであれば早めに使用しておき、後は護衛に徹するのも十分アリ。 コメント欄 なんで壁抜きや、露伴の罠が修正されたのに、キラの床抜き爆弾は修正されないん? -- (名無しさん) 2022-03-29 08 29 15 ↑分からん。 正直、爆弾化の射程は短くせず壁抜け修正する感じに弱体化してほしかったわ。吉良は強いって言っても使う人が使えば強い類いのキャラなんだから、バグ技の修正以外は弱体化せんでよかったよ。 -- (名無しさん) 2022-05-06 02 47 07 ミス 壁抜け×→床抜き爆弾○ -- (修正) 2022-05-06 02 48 20 パッシブと通常攻撃の射程だけで上級者キル量産するのヤバすぎ -- (名無しさん) 2022-07-27 15 33 47 爆抜きは本来出来るべきキャラじゃないし消されても文句無いけど それなら代わりにダウン中の敵や死体、遠隔スタンドなんかにも設置出来るようにして欲しい -- (名無しさん) 2022-08-30 05 37 31 いまだに爆抜き修正されないの謎ですね -- (名無しさん) 2022-08-30 21 52 20 吉良って毎シーズン使用率高いよな -- (名無しさん) 2022-09-03 07 20 53 ウェザー実装で吉良は使う価値無し -- (ーんを湯ムユ) 2022-09-09 09 28 00 爆抜きに関してだけど、たぶん設置型爆弾の有効範囲が床上に届いちゃうから修正出来ないんじゃあないかね これを修正すると設置型爆弾の有効範囲が悲しいことになるからお触りを短くしてお茶濁ししたんやろう -- (名無しさん) 2022-09-16 12 30 51 設置した爆弾の周辺から感知した敵に向かって複数本レイを飛ばして、そのうち一本でも地形に全く触れていないものがあれば起爆できる...みたいな仕組みにすれば天井抜き修正できないかな ラスサバって確かUnrealEngineだったよね? -- (名無しさん) 2022-09-29 11 31 18 流石にプロだからそういうのは試してるんじゃない?それやると何かしらバグ発生するとか -- (名無しさん) 2022-09-29 17 20 44 流石にプロだから直せるけどあえて直してないと考えるべきでは… -- (名無しさん) 2022-09-29 17 39 31 ガード 遠隔 スタンでジャンケン方式になってると思うから遠隔スタンドの爆弾化は無理じゃないかな -- (名無しさん) 2022-10-01 09 33 18 貫通はバグじゃなく仕様なんじゃないの ヤドクガエルやロードローラーの効果も壁越しに伝わるし -- (名無しさん) 2022-10-08 07 53 12 だろうね、天井まるごと爆弾化してるってことなんでしょ。露伴のは触れる触れないじゃなくて見る見ないだから、見えてないのにスタンするのはおかしいし -- (名無しさん) 2022-10-10 10 40 46 その割には公式twitterのラスサバ攻略メモで紹介しないんよね グレーゾーンって感じ -- (名無しさん) 2022-10-10 10 58 04 壁抜き修正されたんですが 不具合修正される仕様って何だよ 何かしらのバグって何だよ あえて直してないって何だよ -- (名無しさん) 2022-12-17 17 09 29 あえて直してなかった、っていう意見で正解だぞ 以前から正路Pと直接話した人が「爆抜きは認識されてる」みたいなことTwitterで言ってたし配信で明らかに以前から知ってる口ぶりだったり 今回のシアハ強化も「この不具合の修正によって吉良が弱体化しちゃうので」だったしな なお露伴も巻き添えを食らった模様 -- (名無しさん) 2022-12-17 21 38 10 そもそもラスサバ攻略メモとかいうコーナーがある時点で 何というかラスサバ関連のツイートを巡回する担当者がいるわけよ Twitterで話題になってるバグ技を運営が認識してないってことは基本無い -- (名無しさん) 2022-12-17 21 42 18 シアハと踏み爆弾火力800は壊れる?妥当? -- (名無しさん) 2023-03-18 23 14 38 研究が進んできたおかげで対アナスイは運と実力のどちらかがあれば割と何とかなるようになってきた むしろキャラ相性がアナスイと丸被りしてるせいで対面有利なキャラが減り不利なキャラが増えてることを心配したほうがいい アナスイに強く吉良に弱いキャラって億泰とディアボロくらいしかいなさそう -- (名無しさん) 2023-03-25 12 18 33 吉良にとって相性のいい相手、悪い相手を教えてください -- (名無しさん) 2023-05-04 14 41 29 射程はウェザーアナスイと同等になったのかな これで自分の間合いを維持しつつ相手がゴリ押しで近づいてきたら爆弾化という動きがちゃんとできるようになった 農場以外なら6太郎に対する新たな脅威となってくれそう -- (名無しさん) 2023-06-08 06 01 11 対吉良だとシアハ回避する方法限られるよね。 -- (名無しさん) 2023-06-18 20 29 18 吉良同士ってこと? 基本シアハ後出しした方の勝ちだよ -- (名無しさん) 2023-06-19 00 29 05 でも結局、両方消耗するよね。そして屋根から見ている プレイヤーがにやけていると。ムカツく。まじでムカつく。 -- (名無しさん) 2023-06-22 21 57 01 爆弾2個は露伴みたいに設置したい! -- (イケメンはこのDIOだ!!) 2023-07-24 16 52 07 たまに階段に設置した爆弾が発動しても敵にヒットしてない場面を見かけるんですが、階段の爆弾ってどこに設置するのが当たりやすいんですかね? -- (名無しさん) 2023-09-03 00 49 03 階段を降りたすぐの辺りに置くと、相手が登ってくるときに90゜曲がるわけだから起爆地点から離れる距離が減って当たりやすくなる…はず -- (名無しさん) 2023-09-10 11 01 01 前提として吉良の設置爆弾はまっすぐ走り抜けると爆発が当たらない(康一除く) なので上の人が言うように爆発半径のうちに曲がり角が含まれるように置くとほぼ確実に当たる ただし相手が『カチリ』に反応して咄嗟に引き返したり窓を抜けたりすると追撃に失敗する場合があるので、自分がいるフロアでスタンを晒してもらえるように階段の中腹あたりに置くとベネかなと思ってます -- (名無しさん) 2023-09-14 02 36 29 爆弾を自分で点火したい人って少数派なのだろうか。 -- (名無しさん) 2023-10-16 23 00 43 原作では自由に爆破できたしわかる。 -- (名無しさん) 2023-10-17 16 14 32 シアハは弱いけどパンチの性能が高いから強化しにくいキャラ -- (名無しさん) 2023-11-27 21 57 21 シアハは追跡爆弾として使うと信用ならないけど直接ぶつける投擲武器と考えるとめちゃくちゃ強いよ アヴドゥルの参戦でシアハが死んだと嘆いてた人多いけど吉良アヴドゥルとか余裕で吉良有利(まぁ多分アプデでひっくり返るけど) -- (名無しさん) 2023-11-28 00 21 26 アヴと川尻との相性が最悪すぎる -- (名無しさん) 2023-12-07 22 06 34 シアハ爆発したら終わりじゃなくて1分間消えないようにして11秒毎に爆発するとかでよくね? すぐ環境的に使い物にならなくなるし -- (名無しさん) 2023-12-08 18 24 57 アヴドゥル、フーゴ、川尻と壁抜きっていうんですかね、炎上、毒、爆風で上階攻撃したり外から建物の内部攻撃出来るので、吉良の設置爆弾も壁中させて欲しいです。その際ダメージ半減以下になった状態でなら許される気がしています。 -- (名無しさん) 2024-01-03 17 00 14 正直、爆抜きだけは四部ボスの特権として修正しなくてよかったのではないかと思ってた。それで吉良が少しでも強くなるのなら普通に許されると思う。 -- (名無しさん) 2024-01-04 08 28 25 吉良は普通にパンチの性能が高いからなぁ 下手に爆弾が強くなるかわりにパンチが弱くなるくらいなら今のままで良いかな シアハくんはまぁうん解放レベル3でも良くないかなとは思う -- (名無しさん) 2024-01-08 17 48 18 長射程キャラや中距離ウェポン持ちが増えたしお触りの射程伸ばすくらいはしてもいいと思う シアハはポンコツな上に重いし爆抜きも消されたし -- (名無しさん) 2024-01-30 01 17 27 名前 コメント すべてのコメントを見る
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猫は吉良吉影が好き Part4 エピソードタイトル Jc42巻 エリオット・リード監督の映画『紳士は金髪がお好き』
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吉良吉影は挫けない◆EHGCl/.tFA 「心の平穏」――それは吉良吉影が何よりも愛し、そして何よりも優先させるもの。この殺し合いの場に於いてもそれは寸分も変わらない。 殺し合いに参加する気など欠片もなく、ただ平穏を手に入れられればそれで満足。 ある二人のスタンド使いを除けば、誰が死に誰が生きようが吉良には全く関係ない。 「平穏」を邪魔する者が居るのならばスタンドで跡形も無く消し飛ばし、自分の秘密を知る仗助と広瀬康一は遭遇し次第抹殺する。 自ら積極的に動くつもりは微塵もなく、また無理に脱出を目指すつもりもない。 下手に主催者へ反抗し、首輪を爆破されでもしたらたまったものではない。 それならば、植物のように平穏に過ごし、それなりに人数が減った時を見計らい漁夫の利でゲームを制した方がまだマシだ。 結局の所、行き着く立場は中立。 ゲームに乗るでもなく、反逆をする訳でもない。 動く時には動き、それ以外は「見」に徹する。さすれば、「平穏」への道は開かれる筈。 ―――吉良は冷静に、決して慌てる事なく思考し、歩みを進める。 その足取りには僅かな迷いもなく、また躊躇いもない。 そして彼は目的地に辿り着く。 平穏な時間を過ごすには最適な、だが優雅な時間を満喫する事は不可能であろうその施設。 ―――ゴミ処理場に。 □ 「……ついたか……」 その光景を見渡した後、吉良吉影が最初に呟いたものは疲労の籠もった言葉であった。 眼前にはゴミの山が積まれ、鼻の奥に突き刺さるような独特の臭いを発している。 吉良は胸元からハンカチを取り出し鼻と口を覆い、ゴミ山に足を踏み入れ始めた。 (この劣悪な環境ならば滅多に人は近付かないだろう……。……不快で仕方がないがこれも「平穏」の為だ……) 直ぐ近くにはゴミ処理場もあるが、先の温泉の例からして施設内には人が居る可能性も高い。 ならば多少の不快感は我慢し、ゴミ山へと身を隠した方が良いだろう。 それにゴミ山の上からなら他の参加者の接近にも気付き易い。 臭いさえ我慢すれば他の参加者に見付かることもないだろう。 東の空は白み始めているが周囲は未だ薄暗い。時折ゴミに足を取られながらも吉良はゆっくりとゴミ山の登山を続けていた。 「む、あれは……」 そして数分後、吉良は隠れ家としては手頃な雰囲気の粗大ゴミを発見する。 それは白色のワゴン車。車輪は四つとも紛失しており外見もボロボロだが、身を隠すことは可能だろう。 (……もう明け方じゃあないか。今日はまだ一睡もしていないぞ) いつもなら安眠を貪っている時間。 普段から八時間の睡眠を心掛けている彼にとっては異常とも言える活動時間帯だ。 主催者に悪態を吐く代わりに足元のゴミを蹴り飛ばし、吉良はワゴン車へゆっくりと近付く。 万が一の事態を警戒しつつドアを開き、車内へと身体を滑り込ませた。 「ほう、これはなかなか……」 車内には、吉良にとって幸運とも言える光景が広がっていた。 運転席や後部座席は取り払われており床にはシーツが引かれ、隅には人形や本や電気スタンドが載せられた棚が置かれている。 まるで、子供が作る秘密基地をバージョンアップさせたような内部。 やはりゴミだからか、少々鉄臭いがこれならば充分我慢できる範囲だ。 「だが少し薄暗いな。電気スタンドでも付け…………いや、止めといた方が良いか。そんな事をすれば他の参加者に位置をバラしているような物だ」 伸ばした手を引っ込め吉良は置かれている座布団の上に胡座をかく。 あの温泉施設には及ばないが、それなりに快適な時間を過ごせそうな内装。 何故ゴミ山にこんな物があるのか疑問にも思ったが、考えても分かる訳がないので切り捨てる。 それよりもこの隠れ家を発見した、自身の幸運振りに吉良は軽くハイになっていた。 (素晴らしい……素晴らしいぞッ! この危機的状況でこのような場所を見付けるとは、ついている! 『運』はこの吉良吉影に味方してくれているのだ!) 鼻歌すら歌いそうな気分で吉良は窓の外の景色を眺める。 あと数分もすれば日が登り、電気スタンドを付ける事なく内装も確認できるだろう。 (夜明け……この不快極まりない殺し合いが始まって数時間か。あの二人が死んでくれていると嬉しいのだが……。まぁ、そこまで『運』に頼るのも悪いか) ――と、吉良は薄い笑みを浮かべ自身のデイバックへと手を伸ばす。 放送までの僅かな時間を支給品の確認に当てようと考えたのだ。 ウソップが持っていたデイバックは二つ。吉良自身のも合わせれば計三つ。 ウソップが使用した『神威の車輪』のように強力な武器が入っている事を願いつつ、デイバックから手を引き抜く。 吉良が握っていた物は食べ応えのありそうな大きさの果実。 彩りは確認できないがパッと見はそれなりに美味しそうだ。 「非常食……と言ったところか? まぁ、このようなサバイバルに於いて食料が多い事は有利に繋がるが……」 とはいえ、強力な武器を求めていた吉良としては少々の落胆を覚えのも無理はない。 デイバックと謎の果実を脇に置き、気を取り直しつつ、もう一つのデイバック――ウソップのデイバックを漁り始める吉良。 何かに触れた感触と共にデイバックから手を抜き出す。 その右手に握られていた物は―― 「なめてるのか、ギラーミンの奴……」 ――亀であった。 まごうことなき亀、誰がどう見ても亀、実は仗助の大嫌いな物の一つである亀。 それが吉良の手に握られていた。 ピクピクとこめかみを痙攣させながらも吉良はソッと亀を地面に置く。 その胸中では亀を叩き付けたい衝動が湧き上がっていたが、何とか耐えた。 「……まぁ、良い。私にはキラークイーンと長鼻が使っていた牛車がある。武装としては充分だろう…………と、何だこれは?」 自身に言い聞かせるように呟くと、吉良はその場に屈んで何かを拾い上げる。 それは亀を取り出すと同時に舞い落ちた一枚の紙――俗に言う説明書であった。 だがそんな事を知る由もない吉良は、目一杯紙を顔に近付け薄暗い車内でそれを読む。 『この亀の名はココ・ジャンボ。甲羅の窪みに専用の鍵をはめ込む事により能力が発動し、部屋の中に入れます。 制限として「二度部屋に入る」、「二時間以上部屋の中に居る」、この二つの規則を破った場合ペナルティとして首輪を爆破するので注意するように。 なお、鍵は会場に置かれた施設の何処かもしくは参加者の支給品の中に隠されている。 部屋の中には殺し合いに役立つラッキーアイテムが隠されているから、頑張って探してね』 ――その内容は以上の通りであった。 吉良は二、三度繰り返して説明書を読み直し、無言でデイバックの中へ亀と共にそれを押し込む。 その眼には不信と疑惑の入り混じった光が灯っていた。 (……確かに亀の甲羅には「鍵型の窪み」が存在する。この「窪み」に会場の何処かか参加者が持っている「鍵」をはめ込むと「能力」が発動し「部屋」に入れるという事か……信じられない事だが恐らくスタンドのような能力を持っているのだろう) その怪しい色に染まった瞳をチラリと亀を入れたデイバックへと送る。 (そして「プレゼント」。殺し合いに役立つという事は強力な武器か何かか……まぁ、私には関係の無い事だ。「鍵」を探す為に危険を冒す程ボケてはいない) 視線をデイバックから窓の外へと移し、ため息を一つ。 完全にハズレという訳ではなかったが、自分にとっては大した意味を成さない支給品。 「鍵」を探すなどリスクが高い行動を起こすつもりなど毛頭ない。 偶然「鍵」が手に入ればそれで良し、「鍵」が手に入らなくともそれもまた良し。 吉良は心の片隅に「鍵」の事を刻み、亀についての思考を止めた。 「さて、少し早いが腹ごしらえでもするか。その後は一眠りしたいものだが……」 そうぼやきながら先程デイバックから取り出した果実を掴み、口へと運ぶ。そして一口、噛じり付く。 口の中に広がるは、空腹を和らげるほのかな酸味と渇いた口に染み渡る瑞々しい甘さ―――ではなく、 「お、おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!?」 餓えた胃を引っくり返す強烈すぎる酸味と、渇いた口を唾で溢れかえさせる猛烈な苦さであった。 まるで時を加速させたようなスピードで車外へと転げ落ち、口の中に残る果肉を吐き出す吉良。 ほんの少量であるが既に喉元を通り過ぎてしまったものもあり、それが胃の底から存在を示し続けている。 脳内の不快指数を示すメーターは、一瞬で針を振り切り今にも爆発しそうであった。 吉良は、まるで毒物を飲んだかのように喉を抑え、キラークイーンを駆使しデイバックから水の入ったペットボトルを取り出す。 主の異常事態に応えて今までの人生の中でも最も早く、そして精密に動いたキラークイーンがペットボトルを吉良の口元に差し出した。 そして、ペットボトルに入った凡そ500mlの水を一気飲み。浴びるように飲み干した。 「な、なんだ、これは! 腐ってるんじゃあないのか!? クソッ、ギラーミンの野郎、こんなふざけた物を支給しやがってッ!!」 それからの行動は殆ど反射的なものであった。 未だ異常を訴える口と胃を抑えながら車内に戻り、先程の投げ捨てた果物を拾い上げる。 果物が腐ってるのか否かを確認する為に腕が電気スタンドのスイッチを押してしまった。 青白い光に照らされる車内。 そして、その光は照らし出す―――今まで暗闇に紛れ隠れていた『異常』を。 「な、なにぃぃぃぃぃいいいいいい!?」 手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、 ―――真っ赤な手が車内を埋め尽くしていた。 床、棚、窓、壁、天井、ドアの縁に至るまで、全てに真紅の手の跡が塗り込まれている。 「な、なんなのだ、この血はッ!!」 吉良は思いっ切り動揺していた。 彼とて残虐極まる殺人鬼。気に入った女性の前で大事な人を爆散させ、その両耳をイヤリングとして女性にプレゼントしたりと、猟奇的な行動をしたりもする。 だがコレはあまりに不意打ち過ぎた。 それにまるでB級ホラー映画のようなおどろおどろしい光景。 流石の吉良も驚愕に心を支配される。 「だ、誰かがここで殺されたのか!? ようやく「平穏」が手に入ると思っていたものをッ!!」 この惨状を見れば何か異常事態が発生した事は馬鹿にも分かる。 大方どこかの馬鹿共がこの車内で殺し合いでもしたのだろう。 誰かが殺された―――つまりは「平穏」とは程遠い環境。 吉良が望むそれとは余りにかけ離れた場所ということだ。 「ここも駄目だと言うのか! 私の「平穏」は何処にあるッ!」 ―――本当の事を言えば、この殺し合いの会場に「平穏」など何処にも存在しないのだが、それに吉良が気付くことはない。 吉良はワゴン車から逃げるように飛び降り、早足でその場から去っていく。 有るはずの無い「平穏」を求め、ただ愚直に先へ進む。 その行為がある意味自分を孤立させている事を知らずに殺人鬼は朝焼けの中を歩き続ける。 そして誰も居なくなった血まみれのワゴン車。 ある世界にて、疑心暗鬼に捕らわれた少女が喉を掻き毟り、手を血に染めたまま一夜を過ごした事により地獄絵図と化した車内。 そこに一口だけ噛じられた果実が残されていた。 ゆっくりと登る朝日は全てを差別することなく照らし出す。 至る所に塗られた赤色の手形も、棚の中にある可愛らしいが手形の付着した人形 も、気味の悪い渦巻き模様が浮かぶ食い欠けの果実も―――。 殺人鬼の掛けられた、生涯解ける事のない海の呪い。 殺人鬼が気付く事の無かった、床に落ちたもう一枚の紙。 燈色の日に照らされたソレの一行目には六文字の言葉が記されていた。 ―――ただ無機質に黒色のインクで『ボムボムの実』、と。 【C-7/ゴミ処理場/早朝】 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]軽度の疲労、動揺、能力者<ボムボムの実> [能力]スタンド「キラー・クイーン」 [装備]ニューナンブM60(残弾4/5)、GPS [道具]支給品一式×3、スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(残弾15発)@BLACK LAGOON、スチェッキンの予備弾創×1(20発)、神威の車輪@Fate/Zero、ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険 [思考・状況] 0:平穏ッ! 探さずにはいられないッ!! 1:なるべく戦闘には参加しない。どうしても必要な時において容赦なく殺害する。 2:東方仗助、広瀬康一は始末する 3:「平穏」に過ごせる場所を探す 4:亀の鍵を見つけたら「部屋」に入ってみる [備考] ※参戦時期は単行本39巻「シアーハートアタックの巻」から。シンデレラによる整形前の顔です。 また第三の爆弾「バイツァ・ダスト」は使えません ※キラークイーンの能力制限にまだ気が付いてません。(視認されてるとは考えています) ※悪魔の実を食べた事に気付いていません ※ゴミ処理場の付近にあるゴミ山にはレナの隠れ家@ひぐらしのなく頃にがあります。 またレナの隠れ家は罪滅ぼし編の時系列から持って来られており、車内には血の手跡が所狭しと塗られています。 ギラーミン「なんでわざわざ血まみれの物を用意したかって? ただの遊び心^^」 【ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険】 五部・黄金の風に出て来たスタンド使いの亀。 背中にある窪みに特定の鍵を嵌める事により能力を発動、鍵を通して亀の内部(テレビ、ソファー、冷蔵庫などが完備された部屋)に入れる。この殺し合いの場では二つの制限(二時間以上部屋で過ごす、二回以上部屋に入る)が設けられており、これを破ったら首輪が爆発する。 また亀の内部には『何か』が隠されている。 鍵は各所施設、もしくは誰かに支給されている。 【ボムボムの実@ワンピース】 この実を食べた人間は、体の各所を爆発させる事が出来る爆弾人間になる。 原作では腕や足は勿論のこと、鼻くそから自身が吐いた息まで爆発させる事が可能だった。また爆発させるタイミングは任意で変更できる。 現段階では四肢を爆発させるのが限度ですが、時間の経過や慣れによって爆弾化できる範囲が増減する可能性もあります。 また爆発の威力にはある程度の制限が掛けられています。 時系列順で読む Back Testament of circle Next 彼女の秘密と彼女の力と 投下順で読む Back Testament of circle Next 彼女の秘密と彼女の力と 吉良吉影は静かに過ごせない 吉良吉影 変態×変態×変態×人形
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【名前】吉良吉影with猫草 【属性】サラリーマン(殺人鬼) 【攻撃力】特殊能力欄の爆弾化能力。スタンドは手刀で常人の腕ぐらいなら容易に切断可能。 【防御力】本人は常人並み。スタンドで防御すれば、コンクリの壁や地面楽々砕ける攻撃も防御可。 スタンドがダメージを受けると腹に入っている猫草が本能で空気弾を放ち自動防御。 30cmほどの空気の塊2つがパンチしていた2つの拳をクッションのように受け止めていた。 (全開のクレイジーDの拳を直前ガード可能) 【素早さ】2m程の間合いならスタープラチナとほぼ互角のクレイジーDのパンチを防御できる反応。 ただクレイジーDに攻撃しようとするとその腕を逆にパンチで撃ち落されるので 攻撃速度はそれほどでもない。 【特殊能力】スタンド:キラークイーン 人型。全長2m。猫のような頭部を持ち、肩や手の甲等に髑髏マークがある。 右手人差し指の側面に「起爆スイッチ」がある。腹部を上下に開き、中に空洞を作れる。 また、左手の甲から分離する『シアーハートアタック』は単体での自動操縦が可能。 (『シアーハートアタック』)戦車型。全長20cm。砲身はなく、丸みのある車体に髑髏の顔とキャタピラがある。 射程距離:2m 能力射程:各爆弾の効果保持範囲は全てほぼ∞、 『第2の爆弾』の爆破範囲は半径5m、熱探知範囲は半径20m 第1の爆弾 手で触れた物質や生物を「爆弾」に変える(対象の外見は変化なし)事ができる能力。 「爆弾」は右手の「スイッチ」により、いつでも起爆できる。また、何かに触れ(られ)た瞬間に自動で起爆するようにも設定できる。 起爆時の「爆弾」に他のものが触れていた場合、「爆弾」自体はそのまま残り、触れていたものだけが爆発する。 爆発は対象内部から起こるため、対象は跡形も残らない。また、爆発の対象外部への影響をゼロにする事もできる。 「爆弾」にできるのは同時に1つまでで、それを起爆か解除するまでは他のものを「爆弾」にできない。 「爆弾」に不発弾はなく、破壊されても効果は消えない。ただし、周囲に空気がないと起爆しない。 「爆弾」化する範囲は細かく制限できる。(例:人間丸ごと、髪の毛1本だけetc) 触れたもの(部分)をその瞬間に爆破する事もできる。 自分や本体は「爆弾」化できない。(ただし本体に触れてその部分だけを爆破する事は可能) 第2の爆弾:シアーハートアタック SHEER HEART ATTACK 周囲の温度分布を解析し、最高温度を持つ目標に自動操縦で突進し、爆破する。 人間の体温程度の温度に反応して爆発を起こす。(自分自身は爆発せずにそのまま残る) 知能はないに等しいが、爆破したものが人間かどうかは判別可能。 また、周囲の人間に「コッチヲ見ロ」と呼びかける事ができる。 硬度が異常に高く、通常の物理的攻撃での破壊はほぼ不可能。 空気爆弾 能力射程:基本的に可視範囲(明るいところで最高100m程度)。数秒で13m位進む弾速。 空気の塊なので基本的に不可視。よくよく目を凝らせば当たる寸前の空気の歪みは視認できる。 空気弾は爆弾として固定されているのでバラバラなったり、破けたりしても爆弾としての性能は失われない。 「接触弾」:爆圧半径は約3m。飛んで行き触れたものを爆破する空気弾。 最初に触れた物を爆破するので壁なども通り抜けられない。 「着弾点火弾:」爆圧半径は約3m。自由に距離を設定し好きな所でスイッチを入れ「点火」できる爆弾。 空気の通り抜ける所なら何処までも突き抜けてガードされずに爆破できる。 「点火」するまで爆破しないので距離やタイミングを誤ると威力が落ちる。 スタンドは幽霊を攻撃することが出来る。 物体をすり抜けて干渉可能(ただし、あまり厚い壁はすり抜けられない。 最低でも腕はすり抜け可能。よくて自分の身長分が限界と思われる) 【長所】 攻撃手段の多さ。猫草の自動防御。 【短所】 反応と攻撃速度が遅い。 221 :格無しさん:2008/08/03(日) 09 15 29 吉良吉影(猫草) ○>ジョセフ>ホルホース>ホルマジオ:触れて爆弾化 ○緑色の赤ん坊:岩投擲は触って爆破で無効化、近寄ってきたスタンド爆破勝ち ○>ラバーソウル>ギアッチョ:スーツ状スタンドに触れて爆破 ×>リゾット:見えない。頭からハサミで負け ×>プッチ神父:時間加速から攻撃 ×ヴァニラ:亜空間に潜られて突撃負け リゾット>吉良吉影(猫草)
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吉良吉影は挫けない◆EHGCl/.tFA 「心の平穏」――それは吉良吉影が何よりも愛し、そして何よりも優先させるもの。この殺し合いの場に於いてもそれは寸分も変わらない。 殺し合いに参加する気など欠片もなく、ただ平穏を手に入れられればそれで満足。 ある二人のスタンド使いを除けば、誰が死に誰が生きようが吉良には全く関係ない。 「平穏」を邪魔する者が居るのならばスタンドで跡形も無く消し飛ばし、自分の秘密を知る仗助と広瀬康一は遭遇し次第抹殺する。 自ら積極的に動くつもりは微塵もなく、また無理に脱出を目指すつもりもない。 下手に主催者へ反抗し、首輪を爆破されでもしたらたまったものではない。 それならば、植物のように平穏に過ごし、それなりに人数が減った時を見計らい漁夫の利でゲームを制した方がまだマシだ。 結局の所、行き着く立場は中立。 ゲームに乗るでもなく、反逆をする訳でもない。 動く時には動き、それ以外は「見」に徹する。さすれば、「平穏」への道は開かれる筈。 ―――吉良は冷静に、決して慌てる事なく思考し、歩みを進める。 その足取りには僅かな迷いもなく、また躊躇いもない。 そして彼は目的地に辿り着く。 平穏な時間を過ごすには最適な、だが優雅な時間を満喫する事は不可能であろうその施設。 ―――ゴミ処理場に。 □ 「……ついたか……」 その光景を見渡した後、吉良吉影が最初に呟いたものは疲労の籠もった言葉であった。 眼前にはゴミの山が積まれ、鼻の奥に突き刺さるような独特の臭いを発している。 吉良は胸元からハンカチを取り出し鼻と口を覆い、ゴミ山に足を踏み入れ始めた。 (この劣悪な環境ならば滅多に人は近付かないだろう……。……不快で仕方がないがこれも「平穏」の為だ……) 直ぐ近くにはゴミ処理場もあるが、先の温泉の例からして施設内には人が居る可能性も高い。 ならば多少の不快感は我慢し、ゴミ山へと身を隠した方が良いだろう。 それにゴミ山の上からなら他の参加者の接近にも気付き易い。 臭いさえ我慢すれば他の参加者に見付かることもないだろう。 東の空は白み始めているが周囲は未だ薄暗い。時折ゴミに足を取られながらも吉良はゆっくりとゴミ山の登山を続けていた。 「む、あれは……」 そして数分後、吉良は隠れ家としては手頃な雰囲気の粗大ゴミを発見する。 それは白色のワゴン車。車輪は四つとも紛失しており外見もボロボロだが、身を隠すことは可能だろう。 (……もう明け方じゃあないか。今日はまだ一睡もしていないぞ) いつもなら安眠を貪っている時間。 普段から八時間の睡眠を心掛けている彼にとっては異常とも言える活動時間帯だ。 主催者に悪態を吐く代わりに足元のゴミを蹴り飛ばし、吉良はワゴン車へゆっくりと近付く。 万が一の事態を警戒しつつドアを開き、車内へと身体を滑り込ませた。 「ほう、これはなかなか……」 車内には、吉良にとって幸運とも言える光景が広がっていた。 運転席や後部座席は取り払われており床にはシーツが引かれ、隅には人形や本や電気スタンドが載せられた棚が置かれている。 まるで、子供が作る秘密基地をバージョンアップさせたような内部。 やはりゴミだからか、少々鉄臭いがこれならば充分我慢できる範囲だ。 「だが少し薄暗いな。電気スタンドでも付け…………いや、止めといた方が良いか。そんな事をすれば他の参加者に位置をバラしているような物だ」 伸ばした手を引っ込め吉良は置かれている座布団の上に胡座をかく。 あの温泉施設には及ばないが、それなりに快適な時間を過ごせそうな内装。 何故ゴミ山にこんな物があるのか疑問にも思ったが、考えても分かる訳がないので切り捨てる。 それよりもこの隠れ家を発見した、自身の幸運振りに吉良は軽くハイになっていた。 (素晴らしい……素晴らしいぞッ! この危機的状況でこのような場所を見付けるとは、ついている! 『運』はこの吉良吉影に味方してくれているのだ!) 鼻歌すら歌いそうな気分で吉良は窓の外の景色を眺める。 あと数分もすれば日が登り、電気スタンドを付ける事なく内装も確認できるだろう。 (夜明け……この不快極まりない殺し合いが始まって数時間か。あの二人が死んでくれていると嬉しいのだが……。まぁ、そこまで『運』に頼るのも悪いか) ――と、吉良は薄い笑みを浮かべ自身のデイバックへと手を伸ばす。 放送までの僅かな時間を支給品の確認に当てようと考えたのだ。 ウソップが持っていたデイバックは二つ。吉良自身のも合わせれば計三つ。 ウソップが使用した『神威の車輪』のように強力な武器が入っている事を願いつつ、デイバックから手を引き抜く。 吉良が握っていた物は食べ応えのありそうな大きさの果実。 彩りは確認できないがパッと見はそれなりに美味しそうだ。 「非常食……と言ったところか? まぁ、このようなサバイバルに於いて食料が多い事は有利に繋がるが……」 とはいえ、強力な武器を求めていた吉良としては少々の落胆を覚えのも無理はない。 デイバックと謎の果実を脇に置き、気を取り直しつつ、もう一つのデイバック――ウソップのデイバックを漁り始める吉良。 何かに触れた感触と共にデイバックから手を抜き出す。 その右手に握られていた物は―― 「なめてるのか、ギラーミンの奴……」 ――亀であった。 まごうことなき亀、誰がどう見ても亀、実は仗助の大嫌いな物の一つである亀。 それが吉良の手に握られていた。 ピクピクとこめかみを痙攣させながらも吉良はソッと亀を地面に置く。 その胸中では亀を叩き付けたい衝動が湧き上がっていたが、何とか耐えた。 「……まぁ、良い。私にはキラークイーンと長鼻が使っていた牛車がある。武装としては充分だろう…………と、何だこれは?」 自身に言い聞かせるように呟くと、吉良はその場に屈んで何かを拾い上げる。 それは亀を取り出すと同時に舞い落ちた一枚の紙――俗に言う説明書であった。 だがそんな事を知る由もない吉良は、目一杯紙を顔に近付け薄暗い車内でそれを読む。 『この亀の名はココ・ジャンボ。甲羅の窪みに専用の鍵をはめ込む事により能力が発動し、部屋の中に入れます。 制限として「二度部屋に入る」、「二時間以上部屋の中に居る」、この二つの規則を破った場合ペナルティとして首輪を爆破するので注意するように。 なお、鍵は会場に置かれた施設の何処かもしくは参加者の支給品の中に隠されている。 部屋の中には殺し合いに役立つラッキーアイテムが隠されているから、頑張って探してね』 ――その内容は以上の通りであった。 吉良は二、三度繰り返して説明書を読み直し、無言でデイバックの中へ亀と共にそれを押し込む。 その眼には不信と疑惑の入り混じった光が灯っていた。 (……確かに亀の甲羅には「鍵型の窪み」が存在する。この「窪み」に会場の何処かか参加者が持っている「鍵」をはめ込むと「能力」が発動し「部屋」に入れるという事か……信じられない事だが恐らくスタンドのような能力を持っているのだろう) その怪しい色に染まった瞳をチラリと亀を入れたデイバックへと送る。 (そして「プレゼント」。殺し合いに役立つという事は強力な武器か何かか……まぁ、私には関係の無い事だ。「鍵」を探す為に危険を冒す程ボケてはいない) 視線をデイバックから窓の外へと移し、ため息を一つ。 完全にハズレという訳ではなかったが、自分にとっては大した意味を成さない支給品。 「鍵」を探すなどリスクが高い行動を起こすつもりなど毛頭ない。 偶然「鍵」が手に入ればそれで良し、「鍵」が手に入らなくともそれもまた良し。 吉良は心の片隅に「鍵」の事を刻み、亀についての思考を止めた。 「さて、少し早いが腹ごしらえでもするか。その後は一眠りしたいものだが……」 そうぼやきながら先程デイバックから取り出した果実を掴み、口へと運ぶ。そして一口、噛じり付く。 口の中に広がるは、空腹を和らげるほのかな酸味と渇いた口に染み渡る瑞々しい甘さ―――ではなく、 「お、おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお!?」 餓えた胃を引っくり返す強烈すぎる酸味と、渇いた口を唾で溢れかえさせる猛烈な苦さであった。 まるで時を加速させたようなスピードで車外へと転げ落ち、口の中に残る果肉を吐き出す吉良。 ほんの少量であるが既に喉元を通り過ぎてしまったものもあり、それが胃の底から存在を示し続けている。 脳内の不快指数を示すメーターは、一瞬で針を振り切り今にも爆発しそうであった。 吉良は、まるで毒物を飲んだかのように喉を抑え、キラークイーンを駆使しデイバックから水の入ったペットボトルを取り出す。 主の異常事態に応えて今までの人生の中でも最も早く、そして精密に動いたキラークイーンがペットボトルを吉良の口元に差し出した。 そして、ペットボトルに入った凡そ500mlの水を一気飲み。浴びるように飲み干した。 「な、なんだ、これは! 腐ってるんじゃあないのか!? クソッ、ギラーミンの野郎、こんなふざけた物を支給しやがってッ!!」 それからの行動は殆ど反射的なものであった。 未だ異常を訴える口と胃を抑えながら車内に戻り、先程の投げ捨てた果物を拾い上げる。 果物が腐ってるのか否かを確認する為に腕が電気スタンドのスイッチを押してしまった。 青白い光に照らされる車内。 そして、その光は照らし出す―――今まで暗闇に紛れ隠れていた『異常』を。 「な、なにぃぃぃぃぃいいいいいい!?」 手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、手、 ―――真っ赤な手が車内を埋め尽くしていた。 床、棚、窓、壁、天井、ドアの縁に至るまで、全てに真紅の手の跡が塗り込まれている。 「な、なんなのだ、この血はッ!!」 吉良は思いっ切り動揺していた。 彼とて残虐極まる殺人鬼。気に入った女性の前で大事な人を爆散させ、その両耳をイヤリングとして女性にプレゼントしたりと、猟奇的な行動をしたりもする。 だがコレはあまりに不意打ち過ぎた。 それにまるでB級ホラー映画のようなおどろおどろしい光景。 流石の吉良も驚愕に心を支配される。 「だ、誰かがここで殺されたのか!? ようやく「平穏」が手に入ると思っていたものをッ!!」 この惨状を見れば何か異常事態が発生した事は馬鹿にも分かる。 大方どこかの馬鹿共がこの車内で殺し合いでもしたのだろう。 誰かが殺された―――つまりは「平穏」とは程遠い環境。 吉良が望むそれとは余りにかけ離れた場所ということだ。 「ここも駄目だと言うのか! 私の「平穏」は何処にあるッ!」 ―――本当の事を言えば、この殺し合いの会場に「平穏」など何処にも存在しないのだが、それに吉良が気付くことはない。 吉良はワゴン車から逃げるように飛び降り、早足でその場から去っていく。 有るはずの無い「平穏」を求め、ただ愚直に先へ進む。 その行為がある意味自分を孤立させている事を知らずに殺人鬼は朝焼けの中を歩き続ける。 そして誰も居なくなった血まみれのワゴン車。 ある世界にて、疑心暗鬼に捕らわれた少女が喉を掻き毟り、手を血に染めたまま一夜を過ごした事により地獄絵図と化した車内。 そこに一口だけ噛じられた果実が残されていた。 ゆっくりと登る朝日は全てを差別することなく照らし出す。 至る所に塗られた赤色の手形も、棚の中にある可愛らしいが手形の付着した人形 も、気味の悪い渦巻き模様が浮かぶ食い欠けの果実も―――。 殺人鬼の掛けられた、生涯解ける事のない海の呪い。 殺人鬼が気付く事の無かった、床に落ちたもう一枚の紙。 燈色の日に照らされたソレの一行目には六文字の言葉が記されていた。 ―――ただ無機質に黒色のインクで『ボムボムの実』、と。 【C-7/ゴミ処理場/早朝】 【吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]軽度の疲労、動揺、能力者<ボムボムの実> [能力]スタンド「キラー・クイーン」 [装備]ニューナンブM60(残弾4/5)、GPS [道具]支給品一式×3、スチェッキン・フル・オートマチック・ピストル(残弾15発)@BLACK LAGOON、スチェッキンの予備弾創×1(20発)、神威の車輪@Fate/Zero、ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険 [思考・状況] 0:平穏ッ! 探さずにはいられないッ!! 1:なるべく戦闘には参加しない。どうしても必要な時において容赦なく殺害する。 2:東方仗助、広瀬康一は始末する 3:「平穏」に過ごせる場所を探す 4:亀の鍵を見つけたら「部屋」に入ってみる [備考] ※参戦時期は単行本39巻「シアーハートアタックの巻」から。シンデレラによる整形前の顔です。 また第三の爆弾「バイツァ・ダスト」は使えません ※キラークイーンの能力制限にまだ気が付いてません。(視認されてるとは考えています) ※悪魔の実を食べた事に気付いていません ※ゴミ処理場の付近にあるゴミ山にはレナの隠れ家@ひぐらしのなく頃にがあります。 またレナの隠れ家は罪滅ぼし編の時系列から持って来られており、車内には血の手跡が所狭しと塗られています。 ギラーミン「なんでわざわざ血まみれの物を用意したかって? ただの遊び心^^」 【ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険】 五部・黄金の風に出て来たスタンド使いの亀。 背中にある窪みに特定の鍵を嵌める事により能力を発動、鍵を通して亀の内部(テレビ、ソファー、冷蔵庫などが完備された部屋)に入れる。この殺し合いの場では二つの制限(二時間以上部屋で過ごす、二回以上部屋に入る)が設けられており、これを破ったら首輪が爆発する。 また亀の内部には『何か』が隠されている。 鍵は各所施設、もしくは誰かに支給されている。 【ボムボムの実@ワンピース】 この実を食べた人間は、体の各所を爆発させる事が出来る爆弾人間になる。 原作では腕や足は勿論のこと、鼻くそから自身が吐いた息まで爆発させる事が可能だった。また爆発させるタイミングは任意で変更できる。 現段階では四肢を爆発させるのが限度ですが、時間の経過や慣れによって爆弾化できる範囲が増減する可能性もあります。 また爆発の威力にはある程度の制限が掛けられています。 時系列順で読む Back Testament of circle Next 彼女の秘密と彼女の力と 投下順で読む Back Testament of circle Next 彼女の秘密と彼女の力と 吉良吉影は静かに過ごせない 吉良吉影 変態×変態×変態×人形
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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 【調査報告書】 【対象者氏名:吉良吉影】 『さて……結論から言わせてもらおう』 椅子に腰掛け、足を組み。 眼前の“面会相手”に向けて、彼は口を開く。 『私はもう降りるよ』 無機質で、殺風景な密室。 その中央に置かれた机を挟み、二人は向き合う。 杜王町の連続殺人鬼―――吉良吉影。 対峙するのは、一人の“平凡”な聴者。 『なに、“諦めがついた”というだけのことさ』 殺人鬼は、なんてこともなしに語る。 舞台から降りると受け入れた己の心情を、語り手として話す。 眼の前の“凡人”は、ただ何も言わず。 殺人鬼の独白へと、耳を傾けていた。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ◆◇◆◇ ホテルの部屋は、広々としていた。 室内には二つのベッドのみならず、上品なソファやテーブルが並べられた快適な空間が設けられていた。 リビングを思わせるゆったりとした内装は、安物のビジネスホテルとは訳が違う。 このホテルでの宿泊を選んだのはアサシンだった。 「私は金銭に余裕がある。君達の宿泊費も立て替えておくよ」――彼はそう言っていた。 まるで自分を気前良く見せるような振る舞いに思うところはあったものの、鳥子は一先ず彼の厚意に従った。 ゆったりと寛げる場所に泊まれること自体は、決して悪いことではない。 そんな部屋で、交流をしていた二人。 仁科鳥子とアビゲイル・ウィリアムズの耳に、扉を叩くノック音が聞こえてくる。 夜分遅くにやってくる来訪者。 その心当たりは―――当然のように、一人しかいない。 念話を使っている以上、盗み聞きは有り得ない。 故に“聖杯戦争を打破できる可能性”の話を、あちらが察知した訳ではない。 あの人物に、わざわざ用事があるとすれば。 自身のマスターの件か。 あるいは、その裏に潜む“アルターエゴ・リンボ”の件か。 どちらにせよ、今後も彼と連携を取ることを避けられないのならば。 それを確かめる必要はある。 鳥子が立ち上がり、出入り口へと向かう。 アビゲイルもまた、彼女に付き添い。 そして、ゆっくりと。 恐る恐る、ノックされた扉を僅かに開いた。 「……なんですか」 「夜分遅くにすまない。私の使い魔から連絡が来た」 扉の隙間から、視線を向ける男。 整っていながらも平凡な顔立ちをしたその風貌は、とても英霊の一騎には見えない。 アサシンのサーヴァント、吉良吉影。 彼は唐突に、仁科鳥子の部屋を訪ねた。 「急用でね。そのことで君達に相談事があるんだ」 何処か真剣さを帯びた眼差しと共に、吉良はそう呟く。 急用―――恐らく、彼の使い魔から連絡が入ったのだろう。 鳥子がそう考えた矢先。 「中に入ってもいいかな?」 囁くような一言を前に。 鳥子は、一瞬の躊躇いを覚える。 「聖杯戦争の話を、誰かに聞かれたら困るからね」 続く言葉は、確かにその通りであり。 ほんの僅かな迷いを抱きつつ、鳥子はアビゲイルへと目配せする。 彼女もまた、僅かな疑心を抱いていることは目に見えていた。 しかし、こうして通路を挟んで聖杯戦争の話をする訳にも行かず。 これまでのアサシンの悠々とした態度からして、たった今から危害を加えてくる可能性も低いと考えた。 それ故に鳥子は、渋々と吉良を部屋の中へと招き入れる。 リビングへと案内して、一人がけのソファへと吉良を座らせた。 「フゥーーーー……」 溜め息を吐く吉良を、鳥子は訝しげに見つめる。 吉良と距離を置いて、彼女もまた別のソファへと腰掛けた。 「さて、どう話したものか……」 口元に手を当てながら、吉良は思案する。 鳥子の傍には、アビゲイルが立つ。 吉良の動きを見張り、牽制するように。 「リンボと通じていた私のマスターが、大層愚かな決断に走ってね」 そして、吉良は口を開いた。 「ま……一言で言えば、後が無くなったということだ」 取止めもない様子で、言葉を並べる。 「随分と困らされたよ、彼には。 出来の悪い部下を押し付けられたような気分さ。 頭はニブいし、聞き分けは悪いし、そのくせ自分の主張だけは一丁前……」 知りもしないマスターの陰口を聞かされて。 鳥子は、眉間に僅かな皺を寄せる。 結局のところ、アサシンのマスターとは何の接点もない。 アサシンとはどんな仲だったのかも、どんな経緯があって別離しているのかも、知る由はない。 「さて、君もそういった経験はないかね? 何も職場じゃなくてもいい。アルバイトやサークル活動、あるいは学校行事などでね」 それでも尚、構わず吉良は話し続ける。 まるで世間話を振るかのように、鳥子を見据えながら。 「……結局、何が言いたいんですか」 「私は無能なマスターを切る」 吉良は、きっぱりと断言する。 マスターを切る。 その一言を前にして、鳥子達の警戒心が強まっていく。 「切る、って……それ貴方も脱落するじゃないですか」 「ああ、だから―――」 「言っておきますけど。私のサーヴァントは、この娘だけですからね」 乗り換えさせてくれ、なんて言われる前に。 鳥子は、予め先手を打った。 彼女のサーヴァントは、アビゲイルだけだ。 縁も絆もないアサシンのために鞍替えを受け入れることなど出来ないし。 ましてや、彼らの主従間の揉め事に対する尻拭いをする気もない。 「知ってるよ。君達の絆は本物だ」 「……分かってくれて何よりです」 「だから、説得するのは難しい」 それくらいのことは、アサシンも分かっている筈だ。 何も仲良しこよしをしたくて同盟を結んだのではない。 リンボという脅威に対処する為に、鳥子はアサシンと手を組んだのだから。 彼がそのことを理解していない訳が無い。 だからこそ―――今の彼の態度が、不気味で仕方ない。 「それで、どうしたいんですか」 「そこでだ、仁科鳥子さん―――」 カチリ。 小さな音が響いた。 「たった今、私は『攻撃』をした」 それが一体何なのか。 鳥子とアビゲイルに、認識する暇は与えられなかった。 · 「『彼女は殺戮の女王(キラークイーン)』」 · ただ一言、呟いた。 その次の瞬間。 ボンッ――――密室に、爆音が響く。 鳥子が、目を見開く。 その『右手首』が、爆ぜた。 ◆◇◆◇ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 『英霊の座に召し上げられ、こうしてサーヴァントとして召喚されて……』 殺人鬼は、語る。 密室にて、眼前の平凡な聴者へと。 『改めて気付かされたことがあってね。 “聖杯戦争とはこういうものなのだ”と。甘く見ていたよ、全く』 やれやれ、と。 わざとらしく両手を上げる素振りを見せる。 お手上げだ―――そう言わんばかりの態度だった。 『私の“完敗”さ。何もかも見縊っていた』 そして、殺人鬼は断言する。 己の敗退を、ただ有りの儘に伝える。 『町中での殺人ならば誰にも負けない、という自信はあったのだがね……いやはや恐れ入ったよ。 “思い込む”というのは何よりも恐ろしい。私は自分を過信していたようだ』 自らを省みるような言葉を吐きながら。 それでも殺人鬼は、変わらず飄々とした態度を貫く。 起きてしまった不幸を「こんなこともあるさ」と水に流すかのように。 『だが、ま……悲嘆することはない』 それ故か。殺人鬼はそうやって言葉を続ける。 聴者である凡人は、表情を変えない。 窶れた虚無の眼差しで、ただ無言で殺人鬼を見据え続ける。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ◆◇◆◇ 鳥子を説得しても、鞍替えなどしない。 それは二人の信頼関係からして明白だった。 ならば彼女達をここで『脅迫』する。 強引にでも再契約を結ばせる。 そのためにまず、『令呪が刻まれてない右手』を吹き飛ばした。 そう―――“触れたものを何でも爆弾に変える能力”によって。 とどのつまり、そういうことだった。 『透明な左手』はまだ奪わない。 令呪が刻まれているし、何より『最後のお楽しみ』なのだから。 「安心したまえ、傷口が『爆炎』で焼けるように工夫したさ。 ここで失血死などされては困るからね」 床に倒れ込んで、片手の激痛でのたうち回る鳥子。 目を見開き、想像を絶する苦痛によって、言葉にならない声を吐き出し。 そんな彼女を見下ろしながら、吉良は淡々と言葉を吐く。 「ッ―――マスター!!!」 そして、アビゲイルがマスターの名を叫び。 即座に臨戦態勢に入った、直後。 彼女の身体は突如として吹き飛ばされる。 吉良吉影の側に立つ精神の化身――キラークイーンが、拳の乱打を放ったのだ。 近距離パワー型に類するその打撃は、サーヴァントにも通用するだけのスペックを持つ。 壁に叩きつけられたアビゲイルの身体が、そのまま壁面へと縫い付けられる。 瞬時に放たれた“空気の輪”が彼女の首に絡みつき、その動きを拘束したのだ。 「アビゲイル・ウィリアムズ。 君は大人しくしていたまえ。 この私を見倣い、謙虚になるといい」 ―――『彼女を愛した猫草(ストレイ・キャット)』。 吉良吉影のスタンド、キラークイーンの腹部に収納された怪生物『猫草』。 その力を借り、空気を自在に操る能力を使役する宝具。 生前ならば光合成によって威力や規模に制限が課せられたが―――今の猫草は所謂“生前の記録から再現された現象”に過ぎない。 故にアサシンが操る上では、常に十全の能力を発揮できる。 「いつ『爆発の能力』を発動したのか、不思議かね?」 吉良は飄々と言葉を紡ぐ。 テーブルなどの煩わしい物体を、キラークイーンが腕力で払い除けつつ。 手首の爆発によって床に転がっていた鳥子の『右手』を拾い上げる。 そうして―――彼は『右手』に口づけをする。 彼女への忠誠を誓うかのように。 あるいは、彼女を自分のものとして支配する証を付けるように。 床に横たわる鳥子を他所に、殺人鬼は契りへの餞を送る。 「私を誰だと思っている。 私はこの街に潜む『連続殺人鬼』さ。 誰にも気づかれず、誰にも悟られず―――殺人を繰り返してきた」 勝ち誇ったように不敵な笑みを浮かべながら。 自らの能力の種明かしをするように、吉良は言葉を紡ぎ続ける。 「君が部屋のドアを開けて、右手を晒した一瞬……。 その不意を突いて手首を『爆弾』に変えることなど、そう難しくはなかったというワケさ」 ああ、それはつまり。 “その気になれば、お前を殺すこともできた”。 そういう宣言なのだ。 吉良は自負する。吉良は驕る。 こと『殺人』という行為において、最も優れているのはこの“吉良吉影”なのだと。 吉良吉影のスキル『街陰の殺人鬼』は、サーヴァントとしてのあらゆる魔力の気配を遮断する。 例え宝具を発動したとしても、戦闘態勢に入らない限り効果は持続し続ける――『殺人』も『脅迫』も、彼にとっては戦いの内に入らない。 だからこそ、彼の『宝具発動』は誰にも察知できなかった。 「で、どうかな?」 苦痛に横たわり、肩で呼吸するように喘いでいた鳥子を一瞥し。 吉良は壁に拘束されているアビゲイルへと、改めて視線を向ける。 「アビゲイルくん……君が危険な存在であることは既に明白だ。 リンボの魔の手が迫る前に、君自身が早々に『退場』すべきとは思わないかね」 まるで諭すような口振りだった。 幼い子供に世間の論理を説くかのように、彼は淡々と呟く。 「そう、君にとって大切な彼女のためにも……ね」 薄ら笑みと共に、吉良は顎でアビゲイルのマスターを示す。 そんな彼の態度に対し、部屋の隅で蹲る鳥子は。 迸る激痛と熱に苦しみながら、辛うじて息を整えていき。 そして―――吉良を見上げて、歯を食いしばりながらキッと睨み付けた。 そんな彼女の態度を、吉良は意に介することもない。 サーヴァントの鞍替えを強要する以上、鳥子との関係が上手く行かないことなど想定内なのだから。 ならば初めから利害関係と割り切ればいいし、相手に関しても「アサシンと組まざるを得ない」ような状況に追い込めばいい。 どんなマスターにせよ、どれだけの不和を孕んでいたとしても。 あの無能な田中一よりは余程マシであることに変わりはないのだ。 そうして、吉良はゆっくりと歩き出す。 悠々とした態度を貫き、彼は床に横たわる鳥子へと近付かんとする。 瞬間、虚空より“門”が開かれた。 それは吉良を取り囲むように顕現し。 そして、次元の隙間から―――無数の“触手”が所狭しと殺到する。 されど、蠢く怪異の奔流が吉良を捕えることは出来ない。 吉良の四肢を掴む直前に、それらは“見えない壁”によって阻まれていた。 それから刹那、触手の群れは“爆散”する。 まるで吉良の周囲で爆炎が発生したように、焼け落とされていく。 「おいおい、君は随分と聞き分けの悪い子だな。 セイレムでもそうやって『大人達』に迷惑を掛け続けたのかね?」 拘束されていたアビゲイルの攻撃を、難なくいなし。 吉良は相変わらず、冷淡な眼差しで笑みを浮かべる。 『猫草』を操り、自身の周囲に空気の壁を展開。 あらゆる死角から不意打ちが襲い掛かる可能性に備え、結果としてアビゲイルの攻撃を防いだのだ。 更には空気の壁をキラークイーンによって『爆弾化』し、爆炎によって触手の群れを吹き飛ばした。 アビゲイルの驚愕になんの興味も抱かず、吉良は鳥子の直ぐ側へと立つ。 鳥子が抵抗しようとする前に。アビゲイルが妨害の一手を放たんとする前に。 ―――鳥子の細い首筋を、吉良の右手が勢い良く掴んだ。 「ま……どのみち君は従わざるを得ないよ、アビゲイルくん。 君のマスターの安全の為にも、そしてこの私に迷惑を掛けない為にも」 「――――――ッ、ああ……っ!!」 しゃがみ込んだ吉良が鳥子の首筋を握り締め。 そのままゆっくりと、その手に力を込めていく。 徐々に握力を強めていく指が肌にめり込み、鳥子の喉から掠れた苦悶の声が溢れる。 「決心が付いたのなら、君のマスターに頼むといい。 『自分を今すぐ令呪で自害させるように』と」 ―――殺人鬼は、不敵に嘲る。 首を傾けて、“セイレムの罪人”を見やる。 苦痛に喘ぐ鳥子を見つめる少女は、焦燥と動揺を顔から滲ませ。 口を紡いだまま、苦々しい表情で吉良吉影を睨んだ。 ◆◇◆◇ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 自分は確かに敗けた。 過信もあったに違いない。 だが、悲観することはない。 殺人鬼は自らの敗北を、執着も無さげに振り返る。 『聖杯を巡る英霊の戦いとは、きっと今回だけに限らない。 座と接続する“願望器”がある限り、何度だって戦いは起こり得る』 それは、英霊へと召し上げられた彼が辿り着いた“一つの確信”だった。 聖杯戦争。奇跡の願望器を求め、古今東西の英霊を従えた主従が殺し合う。 この界聖杯によって齎された、渇望と生存を懸けた闘争。 されど、これはあくまで“数ある聖杯戦争のひとつ”でしかないのだろう。 あらゆる願望を成就する魔力を持つ器――その“役割”さえ果たせるものは全て“聖杯”と成り得るのだから。 此度の戦いに負けたマスターは、界聖杯によって“抹消”される。 戦争の終結と共に、内界に残された全存在は“処分”されるのだ。 聖杯を掴むにせよ、元の居場所へ帰るにせよ。 “生きる”ためにマスター達は戦わざるを得ない。 では―――サーヴァントは? ただ“座”に還り、永劫の記憶の中へと再び幽閉されるだけだ。 敗北で死へと堕ちるマスターとは違う。 『私が何を言いたいのか……わかるかね?』 そして、改めて凡人に問いかける。 フッと笑みを浮かべながら、返答を聞くこともなく殺人鬼は続けて口を開く。 『座で待ち続けるとするよ、“次の機会”を』 “次の聖杯戦争を待つ”。 “別の聖杯の力に賭ける”。 つまるところ、そういうことだった。 その論理に至り、殺人鬼は界聖杯への執着を容易く捨てたのだ。 界聖杯は特別な聖杯であり、他の聖杯が願いを完全に叶えるとは限らない。 本戦開始当初、殺人鬼は確かにそう考えていたが―――聖杯戦争を見縊り、敗北したという事実は覆らない。 ならば眼の前の聖杯に対する執着は一旦捨てて、同等の軌跡を起こせる聖杯が現れるまで待てばいい。 殺人鬼は、そう結論付けた。 『お前さ』 ―――沈黙を貫いていた凡人が、口を開いた。 『自分が言ってること、分かってるのか?』 冷ややかな眼差しで、殺人鬼を見据える。 『なあに、地獄のような苦しみは“英霊の座”でとうに経験してるよ。 だからこそ……その時が来るまで“耐える”という覚悟は出来てるさ』 『なあ、おい。殺人鬼』 これから訪れる苦難など、訳もない。 次のチャンスが訪れるまで、幾らでも耐えてみせるさ。 そう言わんばかりの殺人鬼に、凡人は水を指すように呼びかける。 『なに格好つけてんだよ』 凡人の口から溢れたのは、そんな呆れたような一言。 『今回はいい勉強になった……マスターとの関係においても、サーヴァント同士の戦いにおいてもね。 界聖杯でこそ“負け”はしたが、いずれはこの吉良吉影が“勝利”を掴む時が―――』 されど、殺人鬼は意に介さず。 あくまで余裕の態度を崩さないまま、自らの理屈を説く。 今回は負けてしまったが、いずれは必ず勝利を掴む日が来るだろう。 『あのなぁ』 勝ち誇るように語る殺人鬼。 そんな彼を見つめる凡人は。 《“負け惜しみ”だろ、それ》 侮蔑の感情を込めて、吐き捨てた。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ◆◇◆◇ アビゲイル・ウィリアムズという少女は。 かつてセイレムの地で“惨劇の引き金”となった。 心に狂気を。心に悪魔を。 この不条理は、日々の貧困と不幸は。 すべて魔女の仕業に違いない。 人々のそんな心の闇を映し出す鏡となり、魔女狩りの幕を開いた。 それ故に少女は空想より這い寄る“邪神”の依代となり、彼女は“門を開く鍵”と化した。 降臨の鍵穴となる“狂熱”が渦巻く土地。 神を降ろす為の“鍵”となった少女。 二つの条件が揃い、忌まわしき魔女狩りは呪われし儀式へと変わり。 そうしてアビゲイルは、虚無と混沌の巫女となった。 サーヴァントとして召喚された彼女には、巫女としての力がある。 未だ完全なる覚醒は迎えていないとはいえ。 その門が完全に開かれたとき、聖杯戦争は覆る。 この東京の地に地獄を顕現させるほどの呪いを、少女は背負っていた。 だからこそ。 アビゲイルは、何も言えなかった。 マスターにさえ危険を及ぼしかねない力。 リンボの魔の手が迫る中、いつ“それ”が目覚めてしまうかも分からない。 ならば―――自分は、この舞台から去るべきなのではないか。 この混沌と狂気に、大切なマスターを巻き込んではならない。 そんな思いが、彼女の胸の内からこみ上げてくる。 そうして、アビゲイルが。 口を開こうとした、その矢先。 「……ころ、せない、よ」 別の声が、零れた。 首筋に手を掛けられながら。 「あなたは……わた、しを」 掠れた言葉が、喉から絞り出される。 仁科鳥子の声が、溢れ出る。 「だって……そう、したら」 鳥子の眼差しは。 自身を見下ろす吉良へと向けられた。 「追いつめられるのは……あなたでしょ?」 「ああ。だが、このままではアビゲイルくんも私に攻撃できないさ。 私の手の内に君がいる、この状況ではね」 そうして吉良は、なんてこともなしに答えた。 淡々と、さらりと受け流すかのように。 「それに、最悪道連れくらいはやるさ。 そうなったら地獄だろうが何だろうが構わない。 全てリンボにくれてやる。どうせ私はいなくなるのだから」 されど―――その瞳に宿るのは、決して余裕の色などではなく。 どろりと濁った殺意が、そこに揺らいでいた。 ああ、やっぱり。 鳥子は、それを悟る。 眼の前の殺人鬼が置かれた状況を、改めて理解する。 初めて出会った時から、殺人鬼の置かれた状況は奇妙だった。 これから同盟を組むというのに、一方的に存在が明かされない彼のマスター。 直後に訪れた“異変”。殺人鬼のマスターはあのリンボの手に落ちたという。 理解した。殺人鬼とそのマスターは、決定的に不仲だったのだと。 それ故に連携を取り合うことを殺人鬼が嫌い、目に付かない場所に押し込めていたのだと。 そして、不仲だからこそ。 殺人鬼は、自分のマスターを侮っていた。 取るに足らないし、その気になればいつでも制圧できる。 そうやって高を括っていたからこそ、ずっと余裕を保っていた。 しかし、今はどうだ。 殺人鬼が強引に鞍替えを迫り、場合によっては“道連れ”を覚悟していることを突きつけてきた。 それは脅し文句のつもりなのだろう。 相手の危機感を煽って、自身の思うように従わせようとしているのだろう。 けれど。つまるところ、殺人鬼は底を見せてしまったのだ。 掴み所のなかった“怪談”が、“実態”を伴った。 鳥子は、間違いなく理解をした。 このサーヴァントは、追い詰められるべくして追い詰められたのだと。 そんな輩に、自分たちは脅されているのだと。 ああ、きっと空魚もそうなんだろう。 “むかっ腹が立つ”時っていうのは、こんな気持ちなのだろう。 鳥子は、自身を見下ろす殺人鬼を見据えながら思う。 ―――アビーちゃん。 鳥子は既に、念話を飛ばしていた。 これからやることの指示は出していた。 アビゲイルは、一瞬の躊躇いを覚えつつも。 その上で、敢えてそれを受け入れていた。 ほんの僅かにでも疑念を抱いた自分を恥じるように。 故に鳥子もまた、腹を括る。 「さあ、この私と心中など真っ平ごめんだというのなら。 仁科鳥子くん、君も早く彼女を自害させ―――」 その言葉を吐き終える前に。 気力を振り絞った鳥子が、『左手』を動かした。 その透明な掌が、吉良の首元へと目掛けて迫る。 吉良吉影のステータスは、決して高くはない。 彼はあくまで殺人鬼であり、戦闘能力もまたキラークイーンのスペックと天性のセンスに依存している。 サーヴァントとなった今でもそれは変わらない。 彼自身には抜きん出て超人的な身体能力も無ければ、異常な反応速度も無い。 いわば、比較的常人に近い部類の英霊であり。 だからこそ、戦闘の訓練を受けて数多の場数を踏んできた鳥子がその不意を突くことが出来た。 鳥子は、幼い頃から両親より射撃やサバイバルの技術を叩き込まれている。 裏世界においてもそのスキルを活かし、空魚と共に数多の怪異と対峙してきた。 故に彼女は、ただ力を持っただけの常人などではない。 だからこそ、ほんの一瞬でも殺人鬼を出し抜くことが出来る。 そして―――ずぷりと、泥を掴むように。 殺人鬼の首筋を、左手が捉えてみせた。 そのまま彼の“魔力”ごと、動脈を握り潰さんとする。 「――――私を出し抜くつもりかね?」 されど、彼もまた腐ってもサーヴァント。 これしきの反撃を予想しない訳が無く。 そして、鳥子の『左手』に何らかの力があることも推察していた。 だからこそ咄嗟に彼女の腕を掴み、その動きを制止することが出来た。 「仁科鳥子くん、私は君を賢い女性だと信じているんだよ。 期待を裏切らないでくれ。だから……」 そのまま、間髪入れず。 鳥子の左腕を掴んだまま、もう片方の手で彼女の顔面を殴打する。 「私を苛つかせるなよ」 何度も、何度も――――拳を叩きつける。 積み重なる苛立ちを、吐き出すかのように。 彼女の白い肌に、整った顔立ちに、ただ無機質な暴力を浴びせる。 「さあ―――言うことを聞くんだよ、小娘どもッ!! さっさと『自害しろ』と令呪で命じるんだ!!」 やがて一頻りの殴打を済ませて、再び鳥子の首に左手を掛ける。 無論、右手で鳥子の『透明な腕』を押さえつけたまま。 声を激しく荒らげて、鳥子達を怒鳴りつけ。 そして鳥子は、殺人鬼を見上げたまま――観念したように、口を開く。 「『令呪を以て、命ずる』」 鳥子の透明な左手。 その手の甲に刻まれた紋様が、光り出す。 それを確認して、殺人鬼は勝ち誇った笑みを浮かべる。 そして殺人鬼は、鳥子を見下ろした。 鳥子がキッと睨みつけていたことに、彼は気付いた。 まるで、捨て身の攻撃を叩き込まんとしているような。 そんな彼女の眼差しに、殺人鬼は不意を突かれる。 「『宝具ぶちかまして、アビーちゃん』―――!!」 迷いもせず―――彼女は、そう唱えた。 思わず殺人鬼は目を見開く。 なんの躊躇もない命令に、一瞬の動揺が生まれる。 お前たちの命は自分が握っている。 そんな脅しを前にして、二人は全速力でエンジンを踏んてきたのだ。 動揺の隙を付いて、鳥子が自身の左手への拘束を振り払う。 そして吉良に締め付けられる己の首筋へと目掛け、左手を伸ばし―――『喉元』へと触れて。 しかし吉良もまた咄嗟に右手を振るい、鳥子の透明な左手を弾く。 そのまま両手で鳥子の首を締め付けることで、その動きを封じる。 殺さない程度の力を、手のひらに込めていた。 吉良も予想だにしない、宝具使用のための令呪消費。 リンボとの敵対をしている以上、彼女達は全力を出せない。 アビゲイル・ウィリアムズの力を引き出すことは、奴の思惑へと順調に進むことになるのだから。 吉良はそう思っていた。だからこそ、アビゲイルは退場を受け入れると考えていた。 だが、それは違った。 アビゲイルを止めるために、令呪を使うのではない。 アビゲイルと共に敵を全力で倒すために、令呪を使う。 仁科鳥子は、つまるところ。 殺人鬼をぶん殴りに行ったのだ。 ―――私は、最後までアビーちゃんと戦いたいと思ってる。 鳥子は、アビゲイルへとそう告げた。 例え何が起ころうと、自分がアビゲイルを支えると。 例えアビゲイルが災厄になったとしても、自分が全力で止めると。 鳥子は確かに、そう決意したのだ。 その言葉に嘘偽りがないことを、アビゲイルも受け取った。 「―――了解したわ、マスター」 だからこそ、迷わなかった。 だからこそ、アビゲイルも受け入れた。 この人の為なら―――私は、力を使う。 首筋を拘束していた『空気の輪』が、彼女の身体から弾け出た無数の蝙蝠によって霧散する。 「『猫草(ストレイ・キャット)』ッ!!」 キラークイーンが即座に身構え。 此方へと迫らんとしたアビゲイルへと複数の『空気弾』を発射する。 広々とした部屋とはいえ、所詮は屋内。 敵と敵を結ぶ距離は余りにも短く―――故に吉良は、サーヴァントへの対処を優先する。 スタンドの利点は、本体から独立して動けること。 マスターである鳥子を制圧したまま、キラークイーンがアビゲイルへと対応することが出来る。 そして『爆弾化』もまた、キラークイーンが一度発動すれば永続的に効果を発揮する。 そう、爆弾が着火しない限りは。 次々にアビゲイルへと迫る空気弾。 それらの攻撃を、魔力の籠もった人形によって振り払う。 令呪のブーストが掛かった反撃が、吉良の能力を掻き消していく。 「アビゲイル・ウィリアムズ―――私は既に彼女の『喉』を爆弾に変えているッ! さあ、私と仁科鳥子の『道連れ』を引き換えに攻撃をするか!?」 アビゲイルとキラークイーンが攻撃の応酬を繰り広げる中で、殺人鬼は叫んだ。 既に鳥子の喉元に対して『爆弾化』を発動している。 スイッチを押しさえすれば、鳥子をいつでも始末することができる。 そう、これは最終通告だ。 抵抗を続けるのなら―――ここで仁科鳥子を爆殺する。 歯を食いしばり、吉良はアビゲイルを見据えた。 彼女は未だに、キラークイーンとの交戦を辞めない。 殺人鬼の宣告を聞いても尚、その手を止めることはない。 これよりマスターを殺すという脅しに、何の躊躇いも見せない。 ああ、そうか。 それが君の答えか。 堪忍袋の緒が切れるように、吉良は決断する。 彼女達は心底愚かだったことを認識した。 ならば、もう構わない。 死ね、仁科鳥子。 そして、さようなら。 吉良吉影は、殺意を剥き出しにして。 ――――カチリ。 スイッチを押した。 されど、訪れたのは沈黙。 爆弾は、作動しなかった。 「――――何?」 吉良は、唖然とする。 そして、視線を動かした。 鳥子の透明な左手。 その掌の中に――――黒く淀んだ『魔力の塊』が握られていた。 先程の記憶が蘇る。 鳥子が令呪で宝具開放を指示し、吉良の動揺を誘った一瞬。 その隙を付いて、彼女は左手で自分の首筋へと触れていた。 「触れたものを、爆弾に変えるんでしょ?」 苦痛を感じながらも、ニッと不敵に笑い。 鳥子は、その塊を左手で見せつけて。 「起爆装置、見つけたよ。手探りでね」 そして―――それを、握り潰した。 その時吉良は、初めて僅かな動揺を見せた。 彼女が何をしたのか。その左手で、何を行ったのか。 それを理解したからだ。 (キラークイーンの爆弾を、解除した……!?) 仁科鳥子の『透明な左手』は、あらゆる怪異へと干渉する。 その対象は、物理的な範囲に留まらない。 形なき怪異を実体として捉えることも出来る。 現実と裏世界の接点を切り開くことも出来る。 怪異に由来する力の根源を、掴み取ることすら出来る。 「左手を奪えなかったのは、失敗だったね」 その左手が、サーヴァントに由来する魔術さえも捉えてみせたのだ。 令呪の発動によって吉良の意識がアビゲイルの方へと向いた一瞬。 その隙を付いて、鳥子は自らの左手を動かしていた。 彼女は、アサシンによって爆弾化されたであろう喉元に触れて。 その奥底にある『魔力の根源』――いわば『起爆装置』を手探りで見つけた。 そのまま強引に掴み取り、それを握り潰してみせた。 あの東方仗助でさえ行わなかった『爆弾化の解除』を、仁科鳥子は実行したのだ。 「知ってる?殺人鬼さん。 この左手、『愛の証』なんだよ」 まるで婚約指輪を見せつけるように。 鳥子は、眼前の殺人鬼へと言い放つ。 「あんたなんかにくれてやるもんじゃない」 それは、誓いの言葉。 それ故の、拒絶の宣言。 その手が誰の為にあるのか。 たった一人の相棒と、結び付く為だ。 紙越空魚の右目と、仁科鳥子の左手。 裏世界での絆を象徴する、二人の力。 そう、それこそが彼女達のエンゲージリング。 薄汚れた殺人鬼に捧げるものなどでは、断じて無い。 「あなたが切ろうとしてるマスターも、これから組もうとしてた私も一緒。 結局あなたは―――他人に興味なんか無いんでしょ」 仁科鳥子も。紙越空魚も。 心に隙間を抱え、孤独を埋め合わせるものを希求し。 そして、“共犯(あい)”によって引かれ合った。 けれど。眼前の殺人鬼は、違う。 孤独を満たすことなど、初めから考えていない。 誰かと繋がることに、一欠片の興味もない。 彼にとって他人など、道端の石ころにも等しいのだから。 「誰も信じなかったし、誰も頼らなかった。 だからあなたは、これから敗けるの」 そう断言する、鳥子の眼差しは。 毅然と、真っ直ぐに、殺人鬼を貫く。 吉良吉影の脳裏に、ほんの一瞬。 “とある女性の顔”が浮かんだ。 たった一度だけ守ろうとして、そして無事であることに安堵した女性。 “新たな日常”の中で、自分が知りもしない想いを抱きかけた女性。 彼女は、私を信じてたのだろうか。 私は、彼女を信じようとしてたのだろうか。 ―――どうでもいい。 ―――全ては過ぎたことだ。 ―――そう。終わったのだ。 吉良吉影の感傷は、風に吹かれるように消え去っていく。 そして、彼の意識は高速で『現在』へと巻き戻る。 研ぎ澄まされる魔力の匂いを悟った殺人鬼は。 鳥子ではなく―――アビゲイルの方へと、視線を向けた。 「我が、父なる神よ」 キラークイーンの拳が、アビゲイルの腹部に叩きつけられる。 しかし、胴体を覆うように召喚された『触手』がそれを防ぎ。 「薔薇の眠りを超え――――」 矢継ぎ早に放たれた右手の手刀で、眼の前の少女を『爆弾』に変えようとする。 されど、その一撃もまた死角からの触手によって絡め取られる。 キラークイーンは、迷わず左手による打撃を放とうとする。 殺人鬼は、気付いていない。 ほんの僅かな異変に、気付かない。 スキルによる精神干渉への耐性を持つが故に、却ってそれを察知することが遅れた。 彼は、微かに冷静さを欠いていた。 宝具を開放するセイレムの少女――そこから漏れ出る“異界の念”によって、細やかな“動揺”を抱いていた。 それは、戦闘におけるほんの一瞬の致命打と成り得るもので。 「いざ、窮極の門へと至らん」 ―――少女が、殺戮の女王へと迫った。 全身から溢れ出た触手で、背伸びするようにその身を突き出し。 そして左手の一撃が叩き込まれるよりも先に。 女王の身体へと、幾つもの触手が殺到する。 猫草が再び『空気の壁』を作り出さんとする。 されど、間に合わない――そして女王が、無数の触手に抱擁された。 女王は猫草を制御し、咄嗟にアビゲイルへと空気弾を叩き込む。 腹部に衝撃を与えられながらも、少女は決して女王を引き離さない。 触手を絡ませ、がっちりとその肉体を固定する。 仁科鳥子を、爆弾に―――出来ない。 一度点火した以上、キラークイーンの指が再び触れない限り能力は発動できない。 そして殺戮の女王は、今まさにアビゲイルへの対処で封じられている。 吉良が鳥子を縊り殺すよりも先に、相手の宝具は『発動』する。 少女と女王の顔が、数センチの距離へと肉薄する。 まるで口吻を交わす直前のように。 その白く幼い貌で、無機質で冷徹な表情を見据える。 · 「『光殻湛えし虚樹(クリフォー・ライゾォム)』―――ッ!!」 · その額――――浮かび上がる『鍵穴』。 這い寄る混沌。迫り来る闇。 殺戮の女王は、『未知』を視た。 ◆◇◆◇ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 『――負け惜しみ、か』 “負け惜しみだろ、それ”。 凡人から吐き捨てられた一言によって、殺人鬼の表情が真顔へと変わる。 自分が“敗北した”という実感は、確かに殺人鬼の胸に刻まれていた。 これから自分が退場していくことも、理解している。 だから彼は、こうして事実を粛々と受け入れている。 それを“負け惜しみ”と断じられることは、プライドに関わることだ。 『違うね。前向きに物事を捉えているのさ』 『いつまで格好付けてんだよ》 ただ幸福に生きるべく、建設的に考えるだけだ。 そう言わんばかりの態度で反論するが、凡人は変わらず冷ややかな眼差しを向け続ける。 《お前結局、負けるべくして負けてんだよ。 自分のミスをどうにも出来なかったから、このザマになってんだろ】 そして。 殺人鬼――吉良吉影は、“違和感”を覚える。 ほんの僅かに感じ取った、奇妙な感覚。 ❴❴❴それを他人事みたいに開き直って、“想定内の出来事でした”みたいな顔で言い訳して。 そのくせあんたは他人を見下し続ける。俺が俺を見下すのと同じように]]] 凡人の声が“揺らいでいる”。 ノイズが掛かるように。 別の電波が混線するかのように。 何かが歪んで、淀み出す。 ❲❲❲やる気がなかった癖に余裕ぶって、自分のメンツだけは保ちたいんだよな〙〙〙 歪な声で、凡人は殺人鬼を詰る。 その本質的な過ちを抉り出すように。 淡々と、そして黙々と、苛んでいく。 殺人鬼は、僅かながらも眉間に皺を寄せる。 怠惰な若造が―――そうやって相手に言い返すことも出来たが。 そんな無駄な労力を使う気にもなれなかった。 ああ、それにしても。 そもそも此処は(・・・・・・・)、どこなのか(・・・・・)。 私は一体、何を見ているのか。 殺人鬼は、ふいに疑問を抱く。 “““お前さ―――間違いなく、俺のサーヴァントだったよ。 だってお前、自分以外になんの興味も持ってないんだから””” 何故、こうして“取材”を受けている? 何故、こうして“敗北”の宣言をしている? 何故、こうして“凡夫”から説教されている? 何故、こうして“密室”に居座っている? 不可解極まりない。 幾ら考えようとしても、答えは出ない。 敢えて推察するとしたら。 これは死の間際に見る、夢のようなものなのだろうか。 ある種の走馬灯のように、自らを省みてるのではないか。 『……さようなら、マスター。この1ヶ月間、久々に日常を楽しめたよ』 煩わしい話を打ち切るように、殺人鬼は席を立つ。 取材は終わり。最早話すことも、聞くこともない。 彼はただ、舞台から降りていくだけだ。 久々に日常を楽しめた。 殺人鬼の本心は、結局それだ。 止まらない欲望を満たし、久しい“生活”を謳歌する。 彼がこの聖杯戦争に参加した究極の動機は、つまるところそれだけに過ぎず。 勝利を求めながら、聖杯を求めながら。 心の奥底では―――「例え勝てなくても、次がある」と高を括っていた。 だから吉良吉影は、敗けた。 自らの渇望と勝利に全力を尽くさなかったのだから。 己の信念を突き進み、勝利へと邁進する英傑になどなれなかったのだ。 結局は目先の快楽に耽り、退き際にばかり目を配る“臆病者”でしかない。 戦いに命を懸けることを放棄した殺人鬼に、万物の奇跡など齎される筈がない。 『そう―――お前は《罪深いあなたは、敗けてしまう》』 いあ、いあ――――。 凡人は囁く。 声が揺れて、重なる。 『……何?』 いあ、いあ――――。 殺人鬼が、眉を顰めた。 ほんの僅かに感じていた“違和感”が。 形を伴った“異変”へと変わっていく。 いあ、いあ――――。 凡人の姿が歪み、ひび割れて。 やがて一人の“魔女”の姿が顕になる。 《あなたは、変わらない》 いあ、いあ――――。 魔女は、囁き続ける。 殺人鬼の心象世界へと干渉し。 いあ、いあ――――。 彼の記憶を基に、“凡人”の虚像を生み出し。 そして無意識下に眠っていた本質を抉り出す。 くとぅるふ、ふたぐん―――。 これから去り行く殺人鬼に、夢を見せる。 彼が背負う罪を洗い出すかのように。 《ずっと、繰り返すのよ》 それは“変わらない平穏”ではなく。 言うなれば、“終わらない閉塞”だ。 あの凡夫が味わってきたものと、同じ絶望。 そう―――彼の未来は、動かない。 《永遠に、永遠に、廻り続ける》 だから、魔女は告げる。 呪いの言葉を、淡々とぶつける。 あの凡夫の日々が無価値であったように。 貴方の戦いには、なんの価値もないと。 貴方は、罪に焚かれていくのだと。 《それが、貴方が背負った罪の炎。 永遠にその身を焚き続ける、無限の業火》 故に魔女は、歪な憐れみを向ける。 赦されぬ魂を、淀んだ瞳で見つめる。 《嗚呼、哀しいわ。もはや貴方の咎を裁く者はいない》 そう、ここは“杜王町”ではないのだから。 これは善悪さえも超越する“輪廻”なのだから。 そんな彼を慈しむような眼差しと共に。 魔女は、まるで聖母のように微笑み。 そして、悪魔のようにせせら笑う。 《だから、罪深き私が救わなければならないの》 密室が、蝕まれていく。 コンクリートの壁が、天井が、朽ちていく。 崩壊する世界の亀裂から、眩い光が無数に射す。 光が。光が、光が、光が、光が―――――。 殺人鬼は、目を見開いた。 ああ、あれは何だ。“あの手”は何だ。 この名伏し難き悪夢は、いったい何なのだ。 ほんの微かに。 されど、確かに“門”は開かれてしまった。 人理とは相容れぬ異界の念は、あらゆる者の精神と肉体を蝕む。 それは、呪われし殺人鬼でさえも例外ではない。 そう、何者にも止められない。 この狂気と混沌は、やがて全てを飲み込む――。 《さあ―――共に“お父様”へ祈りましょう?》 イグナ、イグナ―――トゥフルトゥクンガ。 やがて世界は、何かに“埋め尽くされた”。 白き虚無の光と、黒く果てなき闇の中。 祈りの声だけが、響き渡る。 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ ◆ 息を、整えていた。 両手を床に付き、俯いていた。 ホテルの一室は、再び静寂に包まれる。 押し寄せてくる疲弊感。 溢れんばかりの嘔吐感。 途方も無い不安と恐怖。 そして、己の霊基が蝕まれつつあった感覚。 アビゲイル・ウィリアムズの胸中に、あらゆる熱病がこみ上げる。 “僅か”にでも“門”を開いて、改めて認識した。 自らが宿す“外なる神の巫女”としての力の片鱗を。 あの怪僧が目を付ける程の“災厄の素質”を。 その混沌を、敵に向けた時。 それは―――何よりも恐ろしい武器となる。 そして。その力は、やがて己自身さえも蝕む。 アビゲイルは、否応無しにそれを理解した。 彼女は、顔を上げて。 周囲を見渡して、魔力の気配を探った。 あのアサシンは―――跡形もなく“消えていた”。 逃亡を果たしたのか。否、決して違う。 殺人鬼は、もうこの世界には存在していない。 あの混沌と虚無の果てへと放逐され。 そして、聖杯戦争という舞台から消え失せた。 それだけが、確かな真実だった。 異界へと繋がるアビゲイルは、その事実を“認識”していた。 「マスター!」 そして、アビゲイルは床に横たわるマスターの元へと向かう。 仁科鳥子―――彼女の容態を、すぐさま確認した。 消耗と疲弊によって糸が切れたのか、気を失っていた。 呼吸はしている。心臓も動いている。 恐らく、命に別条はない。 そのことに安堵を覚えたものの、深い傷を負っていることに変わりはない。 右手首から先が、あのアサシンの“爆発”によって欠損しているのだから。 火傷によって出血は起こしていないものの、体力の消耗は間違いなく大きい。 そして、残された彼女の“透明な左手”へと視線を移した。 その手に宿る紋様―――三角の令呪が、一部欠けている。 先程、鳥子は令呪を切った。 あの殺人鬼を倒すために、アビゲイルへと指示を出した。 鳥子から“令呪を使ってあいつを倒す”と念話が入った時。 アビゲイルは、一欠片も迷わなかった。 “アビーちゃんが嫌なら――”。 そう告げられても尚、アビゲイルは受け入れることを決めた。 もしも何かあった時には、私があなたを止めるから。 真っ直ぐにそう伝えてくれた鳥子を、信じたから。 この一ヶ月間、家族のように接してくれた鳥子の想いを疑うことなど有りえなかった。 彼女は、私を信じる。 私は、彼女のために戦う。 だからこそ。 “巫女”としての力の片鱗を、鳥子のために解き放った。 ――――決して死なせない。 ――――あなたは、私を信じてくれたのだから。 例え、この忌まわしき“鍵”が。 地獄への門を叩くのだとしても。 それでも、あなたを守るために。 私は最後まで、私でありたい。 清廉なる少女は、祈る。 大いなる父か―――あるいは、己自身にか。 その答えは、彼女のみが知る。 【文京区(豊島区の区境付近)・ホテル/二日目・未明】 【仁科鳥子@裏世界ピクニック】 [状態]:気絶、体力消耗(大)、顔面と首筋にダメージ(中)、右手首欠損(火傷で止血されてる) [令呪]:残り二画 [装備]:なし [道具]:護身用のナイフ程度。 [所持金]:数万円 [思考・状況]基本方針:生きて元の世界に帰る。 0:アビゲイルの“真の力”について知る。 1:アルターエゴ・リンボを打倒したい。 2:私のサーヴァントはアビーちゃんだけ。だから…これからもよろしくね? 3:この先信用できる主従が限られるかもしれないし、空魚が居るなら合流したい。その上で、万一のことがあれば……。 4:できるだけ他人を蹴落とすことはしたくないけど―― 5:もしも可能なら、この世界を『調査』したい。できれば空魚もいてほしい。 6:アビーちゃんがこの先どうなったとしても、見捨てることだけはしたくない。 [備考]※鳥子の透明な手はサ―ヴァントの神秘に対しても原作と同様の効果を発揮できます。 式神ではなく真正のサ―ヴァントの霊核などに対して触れた場合どうなるかは後の話に準拠するものとします。 ※荒川区・日暮里駅周辺に自宅のマンションがあります。 ※透明な手がサーヴァントにも有効だったことから、“聖杯戦争の神秘”と“裏世界の怪異”は近しいものではないかと推測しました。 【フォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ)@Fate/Grand Order】 [状態]:体力消耗(中)、肉体にダメージ(中)、精神疲労(大)、魔力消費(大)、決意 [装備]:なし [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況]基本方針:マスターを守り、元の世界に帰す 0:マスターのことは、絶対に守る。 1:鳥子に自身のことを話す。 2:アルターエゴ・リンボを打倒したい。 3:マスターにあまり無茶はさせたくない。 4:あなたが何を目指そうと。私は、あなたのサーヴァント。 ◆ 彼は、どこにもいない。 この街の影となり、雑踏に溶け込む。 欲望のままに、犯行を繰り返し。 自らの罪さえも完璧に覆い隠し。 実態なき“噂”として、社会を彷徨う。 その姿に、形などない。 何者にも捉えられない霧のように。 “個”を捨てて、“都市伝説”と化したのだから。 無数に茂る雑草のように。 己の素性を葬り、夥しい人混みの一部となる。 だから彼は、誰でもあり。 そして彼は、誰にもなれない。 物語に関わらない、名もなき不特定多数。 ただ群衆へと混ざり合い、消え去っていく。 結局彼は、それだけの存在でしかない。 それは、彼が望んだこと。 それは、彼が求めたこと。 それは、彼が齎したこと。 自らが撒いた種だ。 己の因果を、ただ順当に背負っただけのこと。 激しい喜びもない。 深い絶望もない。 彼は、変わらない。 彼は、誰にも見つからない。 道端の植物のように、見過ごされる。 この街は。この都市の喧騒は。 吉良吉影という男を、知る由もない。 彼がこの街を生きた証は、何処にもない。 ただ、それだけのことだった。 彼という男は、混沌という藪の中へ―――。 【アサシン(吉良吉影)@ジョジョの奇妙な冒険 消滅】 時系列順 Back 逆光(前編) Next prismatic Fate 投下順 Back 逆光(前編) Next prismatic Fate ←Back Character name Next→ 113 僕の戦争(後編) アサシン(吉良吉影) LOST 113 僕の戦争(後編) 仁科鳥子 119 Give a Reason フォーリナー(アビゲイル・ウィリアムズ)